語源
「佐賀」の語源は、奈良時代に編纂された『肥前国風土記』が2つの伝承として伝えている。
「栄(さか)の国」説: 日本武尊が巡幸の際、楠の巨木が天を覆うほど繁茂しているのを見て「この国は栄(さか)の国と呼ぶがよかろう」と述べたことから「栄郡(さかのこおり)」と呼ばれるようになり、のちに「佐嘉郡」に転じたとする説。
「賢女(さかしめ)」説: 郡内を流れる佐嘉川(現・嘉瀬川)に荒ぶる神がいて、往来の人々に危害を加えていた。県主の祖・大荒田が占いに問うたところ、土蜘蛛の大山田女・狭山田女という2人の女性が「土で人形・馬形を作って神を祀れば鎮まる」と答え、そのとおりにすると神は鎮まった。この2人を讃えて「賢女(さかしめ)」と呼んだことが転じて「佐嘉」になったとする説。
このほかに、傾斜地を指す「坂(さか)」、潮汐によって水が逆流する「逆(さか)」、砂丘地を指す「洲処(すが)」が転訛したとする説も挙げられる。
地名の最古の記録は『肥前国風土記』の「佐嘉」表記で、のちに「佐賀」の字が当てられた。
歴史的変遷
| 時代 | 記録・出来事 |
|---|---|
| 古代 | 『肥前国風土記』に「佐嘉郡」として記載 |
| 江戸時代 | 佐賀藩(鍋島氏)の城下町として発展 |
| 1871年 | 廃藩置県により佐賀県が成立 |
| 1889年 | 市制施行により佐賀市が誕生 |
地名の特徴
『肥前国風土記』が2つの起源譚を並べて伝えていることは、佐賀の地名が古代の段階ですでに複数の解釈を持っていたことを示す。「栄える土地」という語感は、肥沃な佐賀平野の農業的な豊かさとも重ねて語られてきた。
特産・名物
佐賀市は佐賀平野の農業生産力と有明海の水産資源を背景に、多彩な特産品が揃う。有明海で養殖される「佐賀のり」は日本有数の産地として知られ、風味豊かな焼き海苔が全国に届けられている。
農産物ではブランド米「さがびより」「夢しずく」が長年にわたり食味ランキング「特A」を受賞しており、いちごの「さがほのか」「紅ほっぺ」も盛んに生産されている。伝統工芸では、鍋島藩に代々受け継がれてきた絹織物「佐賀錦」と絨毯「鍋島緞通(なべしまだんつう)」が市を代表する工芸品として知られる。