🗾 地名由来辞典

屋久島町 ( やくしまちょう )

鹿児島県 / 屋久島町 不明時代由来

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屋久島の「やく」は7世紀の記録にさかのぼる古い地名ですが、その語義には諸説があり定説はありません。町名はこの島名をそのまま採ったものです。

語源

屋久島(やくしま)の「屋久」は、古代の記録に見える「掖久」「掖玖」「夜久」などにさかのぼります。中国の『隋書』大業3年(607年)の「夷邪久国」が初出とされ、『日本書紀』推古天皇24年(616年)には「掖久」の人30名が来日した記事があります。7世紀前半のこれらの呼称は南西諸島を広く指していたとみられ、天武天皇11年(682年)に「多禰人・掖玖人・阿麻彌人」が書き分けられたころから、屋久島を指す固有の地名として限定されていったとされます。

一方、この「やく」という語が何を意味したのかについては、定説がありません。国立国会図書館のレファレンス事例では、辞典類の説明として次のものが挙げられ、「定説はないらしい」と結ばれています。

説の系統が言語系統から地形・農耕用語まで大きく分かれており、いずれかに絞れる段階にはありません。町名の「屋久島町」は、平成19年(2007年)に上屋久町と屋久町が合併した際、この島名をそのまま行政名に採ったものです。

歴史的変遷

時代呼称備考
飛鳥夷邪久『隋書』大業3年(607年)に見える初出。屋久島を指すか南島全体かは不明
飛鳥掖久・掖玖・夜久『日本書紀』推古天皇24年(616年)ほか。当初は南西諸島を広く指した
飛鳥掖玖天武天皇11年(682年)ごろから屋久島を指す地名として限定される
明治以降屋久島現在の表記として定着
平成屋久島町平成19年(2007年)、上屋久町と屋久町の合併で成立。島名を町名に採る

地名の特徴

「やく」は、7世紀の東アジアの記録に現れるほど古い地名でありながら、語義が解けていない地名です。南西諸島を漠然と指す語が、朝廷側の認識が細かくなるにつれて特定の島に絞り込まれていった経緯がたどれる点でも珍しい例といえます。

町域は屋久島と口永良部島からなります。島名がそのまま自治体名になったため、島の名として親しまれてきた「屋久島」が、平成の合併を経て行政の名称としても用いられるようになりました。

特産・名物

鹿児島県屋久島町は、世界自然遺産に登録された屋久島の豊かな自然が育んだ特産品に富む地域です。

屋久島産の柑橘類(タンカン) 鹿児島県北限で生産される「たんかん」は、高い糖度と独特の風味が特徴です。山岳気候による寒暖差を活かし、果汁 100%ジュースや生果として地元で愛されています。

三岳焼酎 宮之浦岳・永田岳・黒味岳の三岳から命名された本格芋焼酎です。屋久島の軟水と国産サツマイモを使用し、まろやかで爽やかな飲み口が人気です。

屋久島縄文水 縄文杉を育てた天然の水として知られる軟水で、硬度が約 10mg/L と非常に柔らかいのが特徴です。料理の素材味を引き立てるだけでなく、健康志向の方にも支持されています。

地名の変遷

  1. 飛鳥 掖玖・掖久・夜久 — 古代の表記。7世紀前半には南西諸島を広く指し、7世紀末ごろに屋久島に限定された

参考資料・出典

最終更新: 2026-09-01