🗾 地名由来辞典

菊川市 ( きくがわし )

静岡県 / 菊川市 鎌倉時代由来

AI生成・人間確認済み

市名は市内を流れる菊川に由来します。前身に同名の菊川町がありましたが、2005年の小笠町との合併では公募を経て「菊川市」が選ばれ、その選定理由は名の元として旧町名を挙げず、川の名「菊川」から取った名前と説明しています。

語源

菊川市の市名は、市内を流れる菊川(きくがわ)に由来します。市には同じ名の前身である菊川町がありましたが、2005年の合併に向けた協議で示された選定理由は、名の元として旧町名を挙げず、川の名「菊川」から取ったと説明しています(経緯は後述)。

川名「菊川」の由来には諸説あります。国土交通省中部地方整備局の解説では、上流の佐夜の中山にある「菊石」や菊川町友田にある「菊目石」から付けられたとする石説と、古くの城飼(きこう)郡にちなんだ「キコウ川」が変化して菊川と呼ばれるようになったとする説が挙げられています。お茶街道の「地名のお話」は、これらに加えて、台地にあって水が伏流しやすいことから「ククカハ(漏川)」の意とみる説を紹介しています。

Weblio辞書に収録された解説では、周辺一帯が古くは荘園で放牧が行われていたことから、柵で囲まれた放牧地(城飼)を流れる川という意味の「城飼川(きこうがわ)」が転じたとする説が有力とされ、ほかに高天神城の東を流れる川であることから「城東川(きとうがわ)」が転じたとする説も挙げられています。

「菊河」の名は、お茶街道によれば『吾妻鏡』承久三年の条に見える「遠江國菊河駅」が初見です。お茶街道は、この名が榛原郡金谷町菊川の地名と川名に残るとし、この地の宿の柱に書き残された詩句とともに紹介しています。

前身の菊川町

菊川町は、1954年(昭和29年)1月1日に、小笠郡の堀之内町・六郷村・横地村・加茂村・内田村が合併して誕生しました。『菊川町史 近現代通史編』によれば、合併協議の段階では「菊水町」が仮称とされ、中心の堀之内町が「堀之内」を、他の村々が「菊水」あるいは「菊川」を主張するなど、町名は最後まで争われました。

菊川市の市名

2003年(平成15年)、小笠町と菊川町の合併協議で、新市の名称を住民から公募し、候補を絞り込んだうえで法定合併協議会で決めることになりました。6月20日から7月15日までの公募には1,462人から1,518点が寄せられ、新市名称候補選定小委員会がこのなかから10点を選んでいます。候補には旧町名と同じ「小笠市」「菊川市」も含まれていました。8月6日の任意合併協議会で小委員長は、「小笠」は小笠平野・小笠郡の名であって「小笠町が小笠になるのではない」、菊川は丹野や嶺田の水も流れ込む川だから「菊川がいいのではないか」と議論したと報告しています。

小委員会がまとめた「菊川市」の選定理由も、菊川は両町を流れて古来より流域に命の水と潤いを与えてきた一方、時には流域の人々が力を合わせて水治めに取り組んできた川であり、この川との付き合いが両町の歴史・文化に根付いているとして、「この川の名『菊川』から取った」名前と説明しています。

候補は10月20日の法定合併協議会で、委員26名の無記名投票により小笠市(おがさ市)・菊川市(きくがわ市)・牧之原市の3点に絞られました。11月25日の協議会では、小笠町の委員が、周囲では「菊川の方がいいだろう」という意見が強いと述べる一方、「庁舎が菊川町で、本庁が菊川町で、名前が菊川市では、対等合併とは言っても何だか菊川へ全部取られてしまう」という声もあると紹介しました。同じく小笠町の委員からは、JRの菊川駅や東名の菊川インターがあり、全国的に見て菊川のほうがよいとの意見が出ています。菊川側から「小笠」の名を推す声が出ないことを惜しむ発言に対しては、菊川町の委員が、菊川町も堀之内町から始まった町で、「菊川という名前はたしか、一級河川菊川が流れて」いることによると述べ、必ずしも「菊川」にこだわってきたわけではないとしたうえで、2町の合併では「何となく菊川の方がネームバリューがあるのかな」と発言しています。挙手の結果、欠席者を除く全会一致で「菊川市」に決まり、表記はひらがなを推す委員が1人いたものの、大多数の賛成で漢字とされました。

こうして新市は、公募と協議を経て前身の菊川町と同じ名になりました。選定理由は川の名から取ったと説明していますが、決定の場では知名度や、旧町の名を引き継ぐことへの受け止めも語られていました。2005年(平成17年)、小笠町と菊川町が合併して菊川市が誕生しました。

歴史的変遷

時代呼称備考
鎌倉時代(承久3年)菊河駅『吾妻鏡』に「遠江國菊河駅」と見える(お茶街道)。宿の名
昭和29年(1954年)菊川町堀之内町・六郷村・横地村・加茂村・内田村が合併して誕生
昭和30年(1955年)菊川町河城村を編入
平成17年(2005年)菊川市小笠町と菊川町が合併して誕生

地名の特徴

国土交通省によれば、菊川は国が管理する一級水系のなかで流域面積が小さいほうから3番目の川ですが、蛇行が激しく、中・下流域が低平地であるため、古くから洪水をたびたび引き起こしてきました。Weblio辞書に収録された解説でも、流域は牧之原台地と小笠山に挟まれた低平地とされています。

同じ「菊川」の名は、静岡県島田市や東京都墨田区の地名にも見られます。

地名の変遷

  1. 昭和 菊川町 — 1954年に堀之内町・六郷村・横地村・加茂村・内田村が合併して誕生。2005年に小笠町と合併して菊川市となる

参考資料・出典

最終更新: 2026-09-27