語源
伊豆の語源には諸説あります。平凡社『日本歴史地名大系』は、国内に温泉が数多く湧き出ることから「湯出づ」の意とする説を挙げ、あわせて伊豆諸島に式内社が多いことや卜部の活動から、「斎く」という語に由来する可能性も示しています。『日本大百科全書』も、温泉が多いことから「湯出」に由来するとしています。
熱海市の伊豆山神社も、伊豆の国名は「湯出づる神」である御祭神の神徳に由来すると伝えています。同社はかつて走湯大権現と呼ばれ、その名は湧き出る霊湯「走り湯」を神格化したものとされます。
伊豆の地名は古く、藤原宮跡から出土した木簡に「伊豆国仲郡」と記されたものがあります。現在の伊豆市の市名は、2004年の合併に際して公募と合併協議会での選定を経て決まりました。
命名の経緯
2004年の合併に向けて、修善寺町外3町合併協議会は新市の名称を公募しました。募集期間は2003年2月7日から28日までで、応募総数2,759件のうち有効は2,716件(一般2,352件、4町の中高生364件)、名称案は625種類にのぼりました。
応募の最多は「伊豆」の672件で、2位の「中伊豆」(200件)を大きく引き離しました。3位以下は「伊豆中央」157件、「修善寺」126件、「天城」113件と続きます。
新市名称及び事務所の位置選定小委員会は、応募結果をもとに「伊豆」「いず」「中伊豆」「伊豆中央」の4点を候補に選びました。「伊豆」の選定理由には、知名度があること、伊豆半島を代表する市を目指してほしいこと、伊豆半島で最初の合併であること、観光の振興に活用できることなどが挙げられています。
2003年3月19日の第5回協議会で、候補は挙手によって選ばれ、委員全員が漢字の「伊豆」を支持して、新市名は「伊豆市」に決まりました。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 飛鳥 | 伊豆国 | 藤原宮木簡に見える古い表記 |
| 明治 | 修善寺村・下狩野村・北狩野村・土肥村・西豆村・中狩野村・上狩野村・下大見村・中大見村・上大見村 | 1889年(明治22年)、それまでの村々がまとまり10村が成立 |
| 大正 | 修善寺町 | 1924年(大正13年)、修善寺村が町制施行 |
| 昭和 | 土肥町 | 1938年(昭和13年)、土肥村が町制施行 |
| 昭和 | 修善寺町・土肥町 | 1956年(昭和31年)、修善寺町と下狩野村、土肥町と西豆村がそれぞれ合併 |
| 昭和 | 中伊豆町 | 1958年(昭和33年)、下大見村・中大見村・上大見村が合併 |
| 昭和 | 修善寺町 | 1959年(昭和34年)、修善寺町と北狩野村が合併 |
| 昭和 | 天城湯ケ島町 | 1960年(昭和35年)、中狩野村・上狩野村が合併 |
| 平成 | 伊豆市 | 2004年(平成16年)4月1日、修善寺町・土肥町・天城湯ケ島町・中伊豆町の合併で発足 |
地名の特徴
伊豆市は伊豆半島中央部に位置します。周辺には伊豆の国市や伊東市など、旧「伊豆」の名を共有する自治体があり、広域的にも「伊豆」という地名が強い地域アイデンティティを持っています。