語源
竹富町の町名は、町の中心的な島である竹富島に由来します。町役場は石垣市内に置かれていますが、町名は八重山諸島のこの島から採られました。
島名「竹富」は、最初に沖縄本島から竹富島に渡来して新里村を開いたと伝わる人物タキンドゥン(タガニドゥン)にちなむとされます。タキンドゥンは島の六つの聖地(六山)のひとつ花城御嶽に祀られており、島を開いた祖として信仰の対象になっています。つまり人の名がそのまま島の名になったと伝えられる地名です。
島の方言(テードゥンムニ)では島を「テードゥン」、石垣方言では「タキドゥン」と呼びます。古文書の表記はさまざまで、『元禄国絵図』(1697年)に「たけとみ嶋」、『指南広義』(1708年)と『中山伝信録』(1721年)に「達奇度奴」、新井白石『南島志』(1719年)に「堂計止美島」と見えます。
なお、古くは「竹富」と書きましたが、1729年に琉球王府が「竹」の字の使用を禁じたため「武富」と表記するようになり、明治20年代に「竹富」へ戻されました。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 不明 | 竹富島 | 町名の由来となった中心島名 |
| 昭和 | 竹富町 | 島嶼部をまとめる自治体名として定着 |
地名の特徴
竹富町は、竹富島だけでなく、小浜島、黒島、波照間島、西表島、鳩間島、新城島など、個性の異なる島々から成る町です。町名が特定の島名に由来しながら、実際には広い島嶼群を包含している点が特徴です。
また、町内には火番盛や御嶽、古井戸、桟橋など、島の暮らしや海上交通、信仰に関わる文化財が多く残されており、地名もこうした歴史・生活文化と深く結びついています。