語源
大洲の地名についてはっきりしているのは、表記が「大津」から「大洲」へ変わったということです。
コトバンク所収の『精選版 日本国語大辞典』は「近世以前は大津といった」と記し、『世界大百科事典』は「明暦・万治年間(1655〜61)に大洲と改められた」、『日本大百科全書』は「1658年(万治1)ごろ大津を大洲と改めた」としています。市公式の歴史ページでも、藤堂高虎が「板島(宇和島)から大津(現大洲)に入り」、「大津地蔵嶽に城を築いた」と、近世初頭までは「大津」表記だったことが確認できます。
一方、もとの「大津」が何に由来するのか、また改称にあたってなぜ「洲」の字を選んだのかを説明した資料は、現時点で確認できていません。 肱川の流れや中州と結びつけたくなりますが、そう述べた資料を確認できていない以上、ここでは書きません。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 平安 | — | 866年に喜多郡として独立 |
| 安土桃山 | 大津 | 藤堂高虎が板島から大津に入り、大津地蔵嶽に城を築く |
| 江戸 | 大洲 | 明暦・万治年間(1655〜61年)に「大洲」と改められる |
| 江戸 | 大洲 | 大洲藩6万石の城下町として発展 |
| 昭和 | 大洲市 | 1954年、大洲町と周辺の村が合併して市制施行 |
地名の特徴
大洲市は肱川の流域に開けた城下町で、「伊予の小京都」と呼ばれます。地名は近世に表記が改められたまま定着したもので、字面から地形を読み取りたくなりますが、その裏づけは取れていません。
同じ「大津」の名は滋賀県大津市・高知県の大津など各地にあり、大洲もかつてはその一つでした。表記が分かれたことで、現在は他と混同されにくい名になっています。
特産・名物
大洲市は、豊かな自然と歴史が育んだ多様な特産品を持つ地域です。代表的なものとして、愛媛県を代表する柑橘類やブランド和牛、そして伝統工芸品などが挙げられます。
- 紅まどんな(みかん): 大洲市の代表的な農産物であり、特に「紅まどんな」は全国的にも知られる銘柑橘です。まるでゼリーのような果肉と甘さが特徴で、温暖な気候の恩恵を受けて育ちます。
- 愛姫牛・伊予牛: 地域の食を支えるブランド和牛として注目されています。愛姫牛は黒毛和牛とホルスタインの交雑種であり、甘みのある脂とさっぱりとした赤身が特徴です。また、伊予牛「絹の味」は、独自の飼育法によって肉質がよりやわらかく旨味に富んでいます。
- 肱川らーめん・銘菓「志ぐれ」: 地域の食文化を象徴するグルメ商品です。「肱川らーめん」は地元愛されるご当地ラーメンであり、また、銘菓「志ぐれ」は大洲市の歴史や風情を感じさせるお土産として親しまれています。
- 下駄・ひのき製品: 歴史的な背景を持つ木造アイテムも特産品です。「下駄」をはじめとする木工品や、地元産の媛ひのきを用いた生活雑貨などは、地域の職人技が光る品々です。