語源
宇部市の地名由来には諸説あります。代表的なのは、地元名産の植物であるムベ(トキワアケビ)が繁茂していたことから「ムベ」と呼ばれ、それが転訛して「ウベ」になったとする説です。ほかに、海辺の景観に由来して「ウミベ」が転訛したとする説、応神天皇の時代に置かれた宇治部の部民が住んだ地域で、「宇治部里(うじべり)」が転じて「宇部」になったとする説があります。
文献上は、12世紀の歌集『散木奇歌集』に「むべ」「むへ」と読める地名が見え、これが宇部の地名の古い記録とされています。さらに、1335年(建武2年)の「厚東武実寄進状案」では、漢字表記の「宇部」が確認できます。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 平安 | むべ/むへ | 『散木奇歌集』に見える地名表記 |
| 鎌倉末期〜南北朝 | 宇部郷 | 1335年の文書で漢字表記が確認される |
| 近代 | 宇部市 | 1921年に市制施行 |
地名の特徴
宇部市は、地名の由来に植物・地形・人名系の複数説がある点が特徴です。とくに「ムベ」は現在も植物名として知られ、地名と自然環境の結びつきを感じさせます。
また、宇部市は石炭産業と工業化で発展した都市としても知られ、地名の古層と近代都市としての発展が重なっている地域です。