語源
入善町の地名由来には、はっきりとした定説はなく、複数の説が伝えられています。主な説としては、①『源平盛衰記』に見える入善小太郎安家の名に由来するという説、②仏教用語の「善に入る」や「入禅」を当てたとする説、③布施(現在の黒部市)から新しく開墾された土地を「新布施(にいふせ)」と呼び、それが転訛したとする説があります。
このうち、地名の音の変化としては「新布施」から「にゅうぜん」への転訛を想定する説が比較的自然ですが、いずれも決定打には至っていません。入善町の由来は、歴史資料や後世の解釈が重なった、諸説併存型の地名といえます。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 不明 | 入善 | 由来については複数説がある |
| 明治 | 入善町 | 町制施行により自治体名として定着 |
地名の特徴
入善町の地名は、同じ富山県内でも由来が一つに定まらない点が特徴です。人名由来、仏教語由来、開墾地名の転訛という異なる系統の説が並立しており、北陸地方の地名研究でも興味深い例の一つです。
また、富山県内には、地形や信仰、開発の歴史を反映した地名が多く、入善町もその流れの中で理解できます。