語源
川越市の地名は、中世の「河越(かわごえ)」にさかのぼります。語源には主に二つの説があります。
ひとつは、入間川を越える土地、つまり「川を越える場所」という意味から「河越」と呼ばれたとする説です。川越の市街地は川に囲まれ、古くから交通の要衝でもあったため、この説明は地理的な特徴とよく合います。
もうひとつは、入間川の氾濫によって土壌が肥えた土地を意味する「河肥」に由来し、のちに嘉字を当てて「河越(川越)」と表記するようになったとする説です。文治2年(1186年)の「河肥庄」という記録もあり、古い表記として確認できます。
また、平安時代にこの地を本拠とした豪族・河越氏の名が、地名の定着に大きく関わったと考えられています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 平安時代末 | 河越 | 河越氏の名で見える。 |
| 鎌倉時代 | 河肥庄 | 文治2年(1186年)の記録に見える古い表記。 |
| 中世以降 | 河越 / 川越 | 嘉字を当てて「川越」とも表記されるようになった。 |
| 大正 | 川越市 | 大正11年に市制施行。 |
地名の特徴
川越は、荒川と入間川に関わる水系と、武蔵野台地の地形が地名の背景にある地域です。川を越える交通の要地であること、また氾濫原の肥沃さが地名解釈に反映されている点が特徴です。
同じく「河」や「川」を含む地名でも、単なる河川名ではなく、土地の成り立ちや中世の武士団・荘園の歴史と結びついているのが川越の地名の面白さです。川越城下町として発展した歴史も、地名の定着を後押ししました。
特産・名物
川越市を代表する特産品といえば、なんといってもさつまいもです。川越周辺では江戸時代から盛んにさつまいもが栽培され、当時は「川越いも」として江戸の庶民に親しまれました。現在も市内では多くの農家がさつまいもを生産しており、「蒸し芋」「芋菓子」「芋ようかん」など、さつまいもを使った加工品が数多く作られています。なかでも、輪切りにしたさつまいもとつぶ餡をもちもちの生地で包んだ蒸し饅頭「いも恋」は、埼玉県の彩の国認定優良ブランド品として認定されています。
菓子屋横丁は、江戸時代の風情が残る川越の観光名所のひとつで、昔ながらの駄菓子をはじめ、さつまいもを使った菓子を中心に多くの店舗が並んでいます。お土産として根強い人気を誇り、川越観光の定番スポットとなっています。
また、埼玉の地ビールとして知られるコエドビールも川越市に工場を持ち、さつまいもを原料とした「紅赤」をはじめとする個性豊かなラインアップが全国的に評価されています。ふるさと納税の返礼品としても「いも恋」や「コエドビール」などが人気を集めており、川越の豊かな食文化を全国に伝えています。