語源
「神埼」という地名は、奈良時代に編纂された『肥前国風土記』に詳しく記されている。
第12代景行天皇が九州を巡幸した際、この地には気性の荒い神がいて往来の人を多く害していた。天皇は、この地に鎮座する神(後の櫛田大神)を適切に祭祀したところ、悪さが止まり、以後この里が「神の幸(かむさち)を賜る里」となったことから「神幸(かみさち)の里」と呼ばれるようになり、のちに「神埼」と転化したとされる。
この神を奉祀した神社が神埼町の櫛田宮であり、本殿の北側には「神埼発祥の碑」が建立されている。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 古墳時代 | 神幸(かみさち) | 景行天皇の巡幸による命名(伝承) |
| 奈良時代 | 神埼 | 肥前国風土記に「神埼郡」として記載 |
| 2006年 | 神埼市 | 神埼町・千代田町・脊振村合併により市制施行 |
地名の特徴
神埼市は佐賀県東部の筑後川沿いに位置し、佐賀平野の中心部を形成する。市域には日本最大規模の弥生時代の環濠集落「吉野ヶ里遺跡」(隣接する吉野ヶ里町)が広がる歴史的に重要な地域である。
名産品「神埼そうめん」は地名を冠した全国的に知られる食品ブランドであり、地名が食文化に深く結びついている例でもある。
特産・名物
神埼市の特産品として最も知られるのは「神埼そうめん」である。380年以上の歴史と伝統を持つ手延べそうめんで、小麦粉のほのかな甘みとシャキシャキとしたコシが特徴。無添加・油不使用で製造され、仕込み後100日以上自社倉庫で熟成させることで品質を高めている。佐賀県の特産品として広く知られており、ふるさと納税の返礼品でも複数のセットが提供されている。
農業では肥沃な佐賀平野の恵みを受けてブランド米「さがびより」が栽培されており、脊振山系の豊かな水が農産物の品質を支えている。