語源
「伊万里」という地名の由来には複数の説がある。
紀飯麻呂説(有力説のひとつ):天平12年(740年)、藤原広嗣の乱の平定を命じられた将軍・紀飯麻呂(きのいいまろ)がこの地に来たことから「いいまろ」が訛って「いまり」となったとする説。
条里制説(もうひとつの有力説):古代条里制の土地区画名として「伊万(いま)」という地名があり、そこに条里制の単位「里(さと・り)」が加わって「伊万里(いまり)」となったとする説。条里制の痕跡は地域の地割りに今も見ることができる。
どちらの説も確定的ではなく、「伊万里」という独自の古地名が先にあったとする見方もある。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 奈良時代 | 伊万里 | 天平12年(740年)の記録に地名が登場 |
| 江戸時代初期 | 伊万里 | 有田で焼かれた磁器が伊万里港から積み出されたことで「伊万里焼」として世界へ |
地名の特徴
伊万里市は佐賀県北西部、伊万里湾に面する港湾都市で、その名は世界的に知られる陶磁器「伊万里焼」(有田焼)に由来する。江戸時代、有田で生産された磁器が伊万里港から積み出されたため、ヨーロッパでは「イマリ(Imari)」の名で流通し、世界的ブランドとなった。
地名の由来と、その地名が世界規模で知られるようになった歴史が重なり合うユニークな都市といえる。
特産・名物
伊万里市は陶磁器の名産地として世界的に知られるが、食の分野でも豊かな特産品を持つ。「伊万里牛」は優れた飼育技術で育てられたブランド牛で、きめ細やかな霜降りが特徴。また「伊万里梨」は西日本有数の生産量と品質を誇り、みずみずしい甘さが評価されている。
海の幸では玄界灘・伊万里湾で育った車海老やとらふぐが高級食材として名を馳せており、ふるさと納税の返礼品でも人気が高い。伝統工芸「伊万里焼」は現在もふるさと納税の返礼品として各窯元の食器が提供され、地名が付したブランドの価値を食と工芸の両面で体現している。