語源
「唐津」という地名は、「唐(から)」と「津(つ)」の組み合わせからなる。「唐」は古来、中国大陸や朝鮮半島を指す言葉であり、「津」は港・船着き場を意味する。すなわち「唐(大陸)への津(みなと)」という意味をもつ地名で、この地が古代から大陸との交流・渡航の拠点であったことを示している。
別の説として、「カラ(高くなった所)」+「ツ(港)」に由来するという見方もあり、地形的な特徴を表した可能性も指摘されている。
古代には「末盧国(まつろこく)」(魏志倭人伝)と呼ばれ、その後奈良時代以降は「松浦(まつら)」として知られた。「唐津」という地名は17世紀初頭に松浦川河口に形成された城下町を指す名称として成立し、明治以降に現在の広域地名として定着した。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 弥生〜古墳 | 末盧国(まつろこく) | 魏志倭人伝に記載された渡来の要衝 |
| 奈良〜中世 | 松浦(まつら) | 松浦郡として広く知られた地域名 |
| 江戸時代 | 唐津 | 唐津城下として成立。唐津藩の城下町 |
| 明治以降 | 唐津市 | 地域全体の名称として定着 |
地名の特徴
唐津市は玄界灘に面し、古代から朝鮮半島・中国大陸との交易・渡航の要衝であった。地名そのものが「大陸への港」という歴史的機能を端的に示している。
唐津城や唐津くんちなど歴史・文化が豊かで、虹の松原(日本三大松原の一つ)が市のシンボルとなっている。
特産・名物
唐津市最大の名物は、市北西部の呼子町で揚がる「呼子のイカ」である。玄界灘で獲れるヤリイカやケンサキイカを活き造りで提供する食文化は全国的な知名度を誇り、ふるさと納税の返礼品としても定番の一品となっている。
和菓子では、虹の松原に自生するキノコ「松露(しょうろ)」を模した球形の焼き饅頭「松露饅頭」が100年以上の歴史を持つ銘菓として知られる。伝統工芸では、桃山時代から続く陶器「唐津焼」が「一井戸二楽三唐津」と茶人に称えられるほどの格式ある焼き物として有名で、ふるさと納税でも食器類が返礼品として人気を集めている。農産物では棚田米や自然薯も特産品に挙げられる。