語源
富田林市の中心部にある富田林は、戦国時代に寺内町として成立した地名です。もともとこの一帯は「富田の芝」と呼ばれる荒れ地で、永禄元年(1558年)に京都興正寺第14代の証秀上人がこの地を買い受け、近くの古御坊を移して興正寺別院としました。
その際、近隣4か村の名主たちの協力で開発が進められ、新たに移住者を集めた寺内町に「富田林」と名付けたのが地名の始まりとされています。資料では、「富田」は皇室御料を意味する「屯田」に由来するとされ、各地に同系の地名が見られます。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 安土桃山 | 富田林 | 寺内町の成立とともに定着 |
| 明治 | 富田林村 | 富田林村・毛人谷村の合併で成立 |
| 昭和 | 富田林町 | 周辺村との合併後に町制 |
| 昭和 | 富田林市 | 市制施行後の現行名 |
地名の特徴
富田林は、寺内町としての町割りがよく残ることで知られ、碁盤目状に見える道路も辻でわずかにずらす「あてまげ」の工夫が見られます。地名そのものも、周辺の地形や開発の歴史、宗教自治都市としての成立を反映したものといえます。
同じく寺内町として知られる地名には、奈良県橿原市の今井町などがあり、戦国期の宗教都市・商業都市の成立を考えるうえで比較されることがあります。
特産・名物
富田林市を代表する農産品は富田林の海老芋です。西板持地区を中心に栽培されるこの海老芋は、湾曲した形状と表面の縞模様が海老を連想させることが名前の由来で、農林水産省の地理的表示(GI)に登録された高級食材です。京都の料亭などへも直送される品として知られています。また、富田林市はナス・キュウリの生産量が大阪府内第1位を誇る農業都市でもあります。
ふるさと納税の返礼品には、海老芋をはじめとする地場農産物のほか、さしみ卵やスモークサーモンなども揃っています。