語源
「荒尾」という地名の語義は、現時点で確認できていません。 字面から「荒れた土地」や「尾根」を思い浮かべたくなりますが、そう説明した資料は見あたらず、推測で書くことはしません。
一方、この地名がいつまでさかのぼるかは分かっています。 コトバンク所収の『日本歴史地名大系』によれば、康暦元年(1379年)の詫磨寂祐譲状に「野原のさいかう(西郷)とミまろ名内、あう(ら)をの田畠屋敷等事」と見えるのが最古の記録です。また野原八幡宮の祭事簿には「あらお」「荒尾」の表記が見え、これが近世の荒尾村に継承されました。
現在の市名は、昭和17年(1942年)の市制施行にあたり、「中核となった荒尾町による」ものとされています。つまり「荒尾」は、中世から600年以上にわたって同じ土地を指し続けてきた地名です。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 室町 | あうを/あらお | 1379年の詫磨寂祐譲状が初出。野原八幡宮祭事簿にも見える |
| 江戸 | 荒尾村 | 中世の地名を継承 |
| 昭和 | 荒尾市 | 1942年、中核となった荒尾町の名により市制施行 |
地名の特徴
荒尾市は熊本県の北西端、有明海に面した位置にあります。地名の意味は解けていませんが、14世紀の文書に仮名書きで「あうを」と記されていることは、この名がもともと音として存在し、漢字は後から当てられたことを示しています。
特産・名物
荒尾市は有明海に面し、温暖な気候に恵まれた土地柄です。特に代表されるのが「荒尾ジャンボ梨」や「新高梨」で、みずみずしい果肉と甘みが特徴の高級梨として全国的に知られています。また、県内でも有名な「くまもとあっぱれ米」や「ひのひかり」などの無洗米も生産されており、食卓に欠かせない主食として人気があります。
海苔については、有明海の豊かな栄養分が育んだ「有明海産の海苔」が特産品の一つです。焼き海苔や味付海苔など加工品としても利用され、食感と香りが楽しめる逸品です。さらに、熊本県が馬肉文化の本場であることから、「上赤身馬刺し」などの加工食品も名物として挙げられます。