語源
「福岡」という地名は、慶長6年(1601年)に黒田長政が筑前に入封して城を築いた際、黒田家の発祥地である備前国(現・岡山県瀬戸内市長船町福岡)にちなんで城名を「福岡城」、城下町を「福岡」と命名したことに由来する。黒田氏は官兵衛(如水)の曾祖父の代に近江から備前福岡へ移住した家で、「本を重んじ始を忘れざる」意として故地の名を新たな城下町に冠した。
「福岡」という地名自体は、小高い丘(岡)と縁起の良い「福」を組み合わせた佳称とも解される。
一方、「博多(はかた)」は古代から存在する地名で、外来船の停泊地という意味に由来するとされ、国際貿易港として独自の発展を遂げてきた。城下町「福岡」と商業都市「博多」が並立したため、1889年(明治22年)の市制施行の際には賛否両論の議論が起き、一票差で「福岡」に決定した。
歴史的変遷
| 時代 | 記録・出来事 |
|---|---|
| 古代 | 「博多」として国際貿易港が成立、鴻臚館が置かれる |
| 1601年 | 黒田長政が福岡城を築城し、城下町「福岡」が成立 |
| 江戸時代 | 城下町「福岡」と商業都市「博多」が並立して発展 |
| 1889年 | 市制施行。「福岡」か「博多」かの議論を経て「福岡市」に決定(一票差) |
| 1972年 | 政令指定都市となり、「博多区」が行政区として設置される |
地名の特徴
「福岡」と「博多」という二つの地名が共存する点が大きな特徴である。「博多」は中心駅(博多駅)・伝統工芸(博多織・博多人形)・祭(博多祇園山笠)など、都市のブランドとして現在も広く使われる。一方「福岡」は公式の市名・県名であり、「福岡城」を核とした城下町から発展した地名として行政上の正式名称となっている。