語源
御宿町の「御宿(おんじゅく)」という地名は、鎌倉時代に北条時頼が諸国行脚の途中で須賀地区の最明寺に宿泊したことに由来すると伝えられています。町役場の案内では、この伝承が町名の起こりとされ、これにまつわる歌として「御宿せしそのときよりと人とわば網代の海にゆうかげの松」が伝えられているとしています。
また、東昌寺五世勇忍が1762年に記した『高林山々記』には、時頼が当地の草堂に宿し、人々がその仁徳を敬って「御宿郷」と改めた、という趣旨の記述があり、これが御宿の名前の由来を記した最も古い文献の一つとされています。もっとも、町名の由来には諸説があるとされ、現在はこの伝承が広く町民に伝えられています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 鎌倉 | 御宿 | 北条時頼の宿泊伝承に基づくとされる |
| 江戸 | 御宿郷 | 『高林山々記』に見える表記 |
| 明治 | 御宿村 | 須賀村・浜村・高山田村・久保村などを含む行政区画の変遷の中で成立 |
| 大正 | 御宿町 | 1914年に町制施行 |
| 昭和 | 御宿町 | 1955年の新設合併後の町名として継続 |
地名の特徴
御宿町の地名は、単なる地形名というよりも、寺院への宿泊伝承と結びついた歴史的由来を持つ点が特徴です。周辺には「最明寺」や「御宿せし」といった伝承に関連する語が残り、町の歴史や観光資源とも深く結びついています。
同じく人物の来訪や宿泊伝承に由来するとされる地名は各地にありますが、御宿町では北条時頼の逸話と和歌が一体となって伝えられている点が特色です。