語源
「つがる市」は、2005年(平成17年)2月11日に西津軽郡木造町・森田村・柏村・稲垣村・車力村の1町4村が新設合併して発足した市である。市名は特定の旧町村名を継がず、青森県西部一帯を指す広域地名であり旧郡名でもある「津軽」を、平仮名書きで採用したものである。名称は2003年(平成15年)10月27日の第6回合併協議会で決定された。青森県内の平仮名の市名としては、むつ市に次いで2例目にあたる。
「津軽」の名は古い。『日本大百科全書』は「津軽の名は『日本書紀』の655年(斉明天皇1)の条に津刈の蝦夷に冠二階を授けたという記述が初めである」とし、同書斉明天皇4年(658)条には「小乙上を以て、渟代・津軽、二郡の郡領に定む」と、早くも郡名として現れる。
ただし語源そのものは定まっていない。表記は「津苅」「東日流」「津刈」「都加留」「都加利」「都加呂」など古来一定せず、『世界大百科事典』は「呼称が先行し漢字をあてたとみられる」と述べる。漢字表記は後から当てられたものであり、字面から意味を読み取ることはできない。
一説として、『ブリタニカ国際大百科事典』は「古くは津借と書き、蝦夷が松前から渡って津を借りて住んだとの説がある」と伝えるが、これも確説とはされていない。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 飛鳥 | 津刈・津軽 | 『日本書紀』斉明天皇元年(655)に初出。同4年(658)条に「津軽郡」の郡領を定めた記事がある |
| 鎌倉・室町 | 平賀郡・鼻和郡・田舎郡 | 3郡に分けて把握され「津軽三郡」と呼ばれた |
| 江戸 | 津軽郡 | 3郡がまとめられて津軽郡となる。弘前藩による岩木川流域の新田開発が進む |
| 平成17年(2005) | つがる市 | 2月11日、木造町ほか4村が新設合併して成立 |
地名の特徴
市域は岩木川の下流部にあたり、津軽平野の中央部から北西部に広がって西は日本海に面する。海岸に並走して「屏風山」と呼ばれる砂丘性の丘陵地帯が続き、その内側に弘前藩の新田開拓以来の穀倉地帯が開けている。
「つがる」は本来この市域だけを指す名ではなく、青森県西部一帯を覆う地方名である。合併にあたって旧町村名のいずれかを採るのではなく広域地名を市名としたため、この市は「津軽平野の一角」という地理的な位置づけそのものを名に負うことになった。旧町村名を捨てて広域地名を採るこの付け方は、平成の合併期に各地で見られた命名の型のひとつである。
特産・名物
つがる市は、豊かな自然環境が育んだ多様な農産物が魅力の地域です。特に「つがるブランド」として認定された主要農産物は、高品質で全国的に知られています。
- もち麦(つがるもち麦『美仁』) 希少な国産もち麦を原料とした「つがるもち麦 美仁」は、食物繊維が非常に豊富であるのが特徴です。特に水溶性食物繊維の主成分であるβ-グルカンが多く含まれており、腸内環境や健康維持に役立つと注目されています。
- お米(青森県産米) 日照時間が長く、雪解け水が豊富な清らかな水と、夏場の冷涼な気候による昼夜の大きな気温差が、高品質なお米を育む理想的な条件となっています。「青天の霹靂」など、ブランド化されたお米は多くの支持を集めています。
- りんご 日本有数のリンゴ生産地であり、サンふじをはじめとする多様な品種が栽培されています。また、大切な葉を摘まない「葉取らず」などの伝統的な栽培技術によって、風味豊かで高品質な果実が収穫されます。
- メロン・スイカ・ぶどう(高級フルーツ) 気候と土壌に恵まれたつがる市は、「メロンの聖地」とも呼ばれるほど、質の高いフルーツを育みます。特に、砂丘が磨いた水はけの良い土地で育つスイカや、親子三代が守り続けるブランドメロン「タカミ」、北の情熱を感じるシャインマスカットなどのぶどうは絶品です。