語源
十和田市の市名は、市域西端にある十和田湖にちなむ。市そのものは三本木原の開拓によって開けた土地で、もとは「三本木」と称し、1956年(昭和31年)10月10日に三本木市から十和田市へ改称された。地名としての「十和田」は、市域から採られたのではなく、湖の名を後から市名に採用したものである。
湖名「十和田」の語源は、アイヌ語の「トーワタラ(to-watara)」に由来するとされる。「トー」は湖、「ワタラ」は岩を指し、あわせて「岩の多い湖」の意になる。十和田湖はカルデラ湖であり、湖岸には切り立った岩壁が続く。
漢字表記は古くから一定していなかった。『日本歴史地名大系』は天文年間(1532〜55)の「津軽郡中名字」に「津軽と糠部の堺糠檀の嶽に湖水有、十湾(とわだ)の沼と言ふ也」とあることを引き、『百科事典マイペディア』も「16世紀の記録には十湾とみえる」とする。ほかに十曲ノ沼・十渡ノ沼・十輪田湖・十湾湖といった表記も伝わる。いずれも音を写した当て字であり、「十」や「和田」の字義から意味を読み取ることはできない。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 室町(天文年間・1532〜55) | 十湾の沼 | 「津軽郡中名字」に湖名が見える。十曲ノ沼・十渡ノ沼・十輪田湖などの表記も伝わる |
| 江戸(安政2年・1855〜) | 三本木原 | 新渡戸傳らによる開拓が始まり、稲生川の開削で開けた |
| 昭和30年(1955) | 三本木市 | 市制施行 |
| 昭和31年(1956) | 十和田市 | 10月10日、十和田湖にちなんで改称 |
地名の特徴
十和田市は、地名の由来と市域の成り立ちが一致しない点に特徴がある。市街地は奥入瀬川から水を引く稲生川の開削(1859年完成)によって開かれた近代の開拓地であり、地名の元になった十和田湖からは遠く離れている。
つまり「十和田」は、この土地に古くからあった名ではなく、全国的に知られた景勝地の名を昭和になって市の名に採り直したものである。アイヌ語に遡る古い湖名が、開拓地の新しい市名として選び直されたという二重構造が、この地名の成り立ちである。
特産・名物
十和田市は、奥入瀬渓流や豊かな自然に恵まれた地域であり、その環境を活かした高品質な農林水産物が特産品として知られています。
【代表的な特産品】
- 十和田牛(和牛): 十和田の大自然の中で育ったブランド和牛です。黒毛和牛や短角牛など、肉質の良さが特徴で、口の中でとろけるような旨味が楽しめます。食の目利き師が手掛けるバラ焼きなどの加工品も人気を集めています。
- 熟成黒にんにく「黒宝」: 高級国産ブランドにんにくを用いて作られた熟成黒にんにくです。高温多湿な環境で時間をかけて熟成させることで、刺激的な成分が弱まり、濃厚でとろけるような甘みを感じられるのが特徴です。健康志向の贈り物としても注目されています。
- 青森県産「まっしぐら」など米・果物: 十和田市の豊かな土壌と清らかな水が育んだ高品質なお米や、季節ごとに収穫されるキウイフルーツなどの農産物が豊富です。地域に根差した農業技術によって、安定した品質を保っています。