語源
御蔵島村の「御蔵島」は、島名の由来として三島大明神が蔵を置いた島とする説が最も古く、有力とされています。伝承では、伊豆諸島の島々が神々によって順に作られ、その中で御蔵島は「三島大神の大事な蔵を置くための島」とされたと伝えられます。
ほかにも、海暗説や御暗説があります。これは、御蔵島と三宅島の間の深い海や、島の山影によって海が暗く見えることに由来するとする考え方です。また、江戸時代以降の文献や伝承では、島の高い山容を神の「鞍・座」とみる解釈や、ツゲの産地として「美しい宝倉の島」とする説も語られています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 不明 | 御蔵島 | 三島大明神の御蔵とする伝承が有力 |
| 江戸 | 御暗 | 山影で海が暗く見えることに由来するとする説 |
| 明治 | 海暗 | 黒瀬川(黒潮)や山影の海を指すとする説 |
| 昭和 | 海暗 | 有吉佐和子『海暗』などで紹介された説 |
地名の特徴
御蔵島村の地名は、同じ伊豆諸島の三宅島と対比して語られることが多いです。三宅島を「神々の家」とみるなら、御蔵島は「神々の蔵」とみる、という整理が伝承の中で示されています。
また、御蔵島は島の標高が高く、断崖に囲まれた島影が印象的です。そのため、単なる倉庫の「蔵」ではなく、神の座・鞍を連想させる地名としても解釈されてきました。島名には、信仰・地形・海流の印象が重なっている点が特徴です。