語源
あきる野市の市名は、古くからこの地域で親しまれてきた「秋留」に由来します。市の公式説明によると、旧五日市町にある阿伎留神社の名や、地域の中心部に広がる秋留台地、公立阿伎留医療センターなどに見られるように、「あきる」の呼称は地域一帯の名称として定着していました。
新市名を定める際には、歴史ある地域名であること、緑豊かな自然や中心部の台地をイメージできること、ひらがな表記による親しみやすさ、将来への発展への期待が重視されました。そこで、「あきる」の末尾に「野」を加え、多摩川を境に東の平野が「武蔵野」であるのに対し、西の平野を「あきる野」と位置づけて、「あきる野市」と命名されました。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 平安 | 阿伎留神社 | 「日本三代実録」「延喜式」に記載される古社 |
| 鎌倉 | 秋留郷 | 地域名として用いられた |
| 室町 | 小川大明神 | 二宮神社の呼称 |
| 江戸 | 五日市・秋川流域の集落 | 炭や木材の交易が盛ん |
| 昭和 | 秋川市・五日市町 | 1995年に合併へ |
| 平成 | あきる野市 | 秋川市と五日市町の合併で成立 |
地名の特徴
「あきる野」は、単なる新造地名ではなく、古代から続く地域呼称を受け継いだ点に特徴があります。市名にひらがなを用いることで柔らかい印象を与えつつ、漢字の「野」によって武蔵野と対比される西側の平野という地理的イメージも表しています。
同様に、旧来の郷名や台地名、神社名などを手がかりに市名を定めた例としては、地域の歴史的呼称を現代の自治体名へ取り込んだ地名に共通する傾向が見られます。