語源
多賀の地名は、古くは「多珂」とも書かれ、「タカ」の転で「高くなったところ」を意味するとする説が紹介されています。犬上郡の山地から流れる川沿いに集落が開ける地形とも整合的で、地形由来の地名と考えられます。
また、町名は多賀大社の門前地としての歴史と結びついて定着したものです。平安時代の『延喜式神名帳』には「近江国犬上郡 多何神社二座」と見え、後世の多賀大社にあたると考えられています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 平安 | 多何神社 | 『延喜式神名帳』に見える表記で、後の多賀大社に比定される |
| 不明 | 多珂 | 古い表記として伝わる |
| 現代 | 多賀町 | 町名として定着 |
地名の特徴
多賀町の「多賀」は、滋賀県内の地名としては多賀大社を中心に強い宗教的・歴史的背景を持つ点が特徴です。なお、同じ「多賀」という地名は茨城県日立市多賀町などにも見られますが、由来は地域ごとに異なる場合があります。
特産・名物
多賀町の名物として最も知られるのが糸切餅です。多賀大社の門前で古くから売られてきた和菓子で、その歴史は鎌倉時代の元寇にまでさかのぼるとされています。蒙古軍の旗印をなぞらえ、青と赤の三本線を入れた餅を弓弦で切って神前に供えたのが始まりと伝えられ、現在も三本の色線が特徴的な見た目で親しまれています。100%純国産米を主原料とし、ほどよい甘さの自家製こし餡を包んだ柔らかな風味の生和菓子で、「多賀や」「元祖莚寿堂本舗」「ひしや」などの老舗が今も製造・販売を続けています。ふるさと納税の返礼品としても冷凍糸切餅が提供されており、全国から注文が集まっています。
山間部に位置する多賀町は、農産物の生産も行われており、清涼な水と自然環境を活かした野菜・米類も特産品の一つです。多賀大社の門前町として発展してきた歴史を背景に、参拝者向けの食品や土産物が多様に展開されており、ふるさと納税を通じて地域の魅力が全国に発信されています。