語源
「小城(おぎ)」の地名は、奈良時代に編纂された『肥前国風土記』に由来するとされる。同書によれば、古代この地に住む土蜘蛛が防御のために「堡」(砦)を築いたと伝えられており、その「堡(おき)」が転訛して「おぎ」となり、現在の「小城」の地名の起源となった。
平安時代の地名辞典『和名類聚抄』では「乎岐国府」と表記されており、当時すでに「おぎ」の読みで定着していたことが確認できる。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 古代 | 堡(おき) | 土蜘蛛の砦に由来(『肥前国風土記』) |
| 平安時代 | 乎岐(おぎ) | 『和名類聚抄』に「乎岐国府」として記録 |
| 鎌倉〜室町時代 | 小城(おぎ) | 千葉氏が支配し千葉城(梶峰城)を築く |
| 江戸時代 | 小城藩 | 鍋島元茂が陣屋を構え、佐賀藩の支藩として発展 |
| 平成17年(2005年) | 小城市 | 小城・三日月・牛津・芦刈の4町が合併して市制施行 |
地名の特徴
小城市は佐賀平野の北西部、天山山地の南麓に位置する。「小京都」とも呼ばれる歴史的な町並みを今に伝え、鎌倉時代初期から下総(現・千葉県)出身の千葉氏が代々支配したことで、関東の文化が色濃く根付いた。江戸時代には鍋島家の支藩である小城藩の城下町として栄えた。
牛津川沿いの牛津は長崎街道の宿場町・港町として「西の難波」と称されるほど賑わい、三日月地区は弥生時代から大陸交流の拠点として知られる。桜の名所としても有名で、小城羊羹は現在も全国的な特産品として親しまれている。
特産・名物
小城市を代表する特産品は「小城羊羹」である。村岡総本舗・中島羊羹本舗・むら雲堂本舗など市内各老舗が独自の配合で製造する小城羊羹は、原料の豆や水にこだわったじっくり製法が特徴で、ふるさと納税の返礼品としても全国に親しまれている。各店の味を食べ比べる楽しさも名物のひとつである。
有明海に面した芦刈地区では「芦刈のり」や赤貝・牡蠣などの海産物が獲れる。また農産物ではアスパラ・タマネギ・れんこん・いちご・みかんが栽培され、江里山地区の棚田で育まれた「江里山棚田米」も特産品として知られている。