語源
「雲仙」という地名は、大宝元年(701年)に僧・行基がこの地に開山したとされる「温泉山満明寺」の山号に由来する。
この寺院の山号である「温泉山(おんせんざん)」が、火山性の温泉が湧出するこの山域の呼び名として「うんぜんざん」と読まれるようになり、やがて地域全体を指す地名として定着した。当初は「温泉(うんぜん)」という表記が用いられていたが、後に同じ読みの「雲仙」という漢字が当てられた。
雲仙という表記は、険しい山並みが雲の上にそびえる様子を表すとも解釈されており、活発な火山活動と豊富な温泉を持つこの地域の地形的特徴をよく表している。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 飛鳥時代 | 温泉山(うんぜん) | 701年、行基が温泉山満明寺を開山 |
| 江戸時代以降 | 雲仙 | 「温泉」から「雲仙」へ漢字表記が変化 |
| 2005年(平成17年) | 雲仙市 | 南高来郡7町(国見町・瑞穂町・吾妻町・愛野町・千々石町・小浜町・南串山町)が合併して市制施行 |
地名の特徴
雲仙市は長崎県南部の島原半島西部に位置し、雲仙岳(普賢岳)を中心とする火山地帯を抱える。1990〜1995年の平成噴火では大きな被害をもたらしたが、雲仙普賢岳は日本最初の国立公園(雲仙天草国立公園)にも指定されており、温泉地・観光地として広く知られる。
地名の起源となった温泉山満明寺は現在も小浜町に残り、温泉神社とともに地域の信仰の場となっている。市名「雲仙」は古代の仏教的地名が現代の自治体名にそのまま引き継がれた稀な例といえる。