語源
諫早市の地名は、鎌倉時代の文書『宇佐文書』に見える「伊佐早(いさはや)」に由来します。中世には「伊佐早荘」とも呼ばれ、現在の諫早市周辺を指す地名として用いられていました。 戦国時代末期の天正15年(1587年)、西郷氏に代わって龍造寺家晴がこの地を領有しました。その後、龍造寺氏の一族が姓を「諫早」と改め、地名についても従来の「伊佐早」から「諫早」の字を用いるようになったと伝えられています。 なお、「いさはや」という音そのものの語源については明確な定説がありません。一説には「石の多い急傾斜地」を意味する古語に由来するとされるほか、「磯」や「砂地」に関係する地形語とする説もありますが、確証は得られていません。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 鎌倉 | 伊佐早 | 『宇佐文書』に初見。 |
| 室町 | 伊佐早荘 | 荘園名として使用された。 |
| 安土桃山 | 伊佐早 | 西郷氏の本拠地。 |
| 安土桃山 | 諫早 | 龍造寺氏が領有後、表記を変更。 |
| 江戸 | 諫早 | 佐賀藩諫早領の中心地として発展。 |
| 明治以降 | 諫早 | 市町村名として継承。 |
地名の特徴
諫早は長崎県中央部の交通の要衝として古くから栄えました。現在の市名は戦国時代の領主であった諫早氏の姓と深く結び付いており、地名と武家名が一致する珍しい例の一つです。 また、「伊佐早」から「諫早」への改字は、古い地名の音を残しながら縁起の良い漢字へ変更する中世から近世にかけての地名改称の典型例としても知られています。