語源
利府町(利府)の地名は、平安時代から知られた古地名「十府(とふ)」「十符(とふ)」に由来すると考えられています。当地で作られた「十府の菅薦(とふのすがこも)」は、編み目が十筋あったことからその名で呼ばれ、都へ献上された敷物として和歌にも詠まれた歌枕でした。
のちに、留守氏がこの地に居住した際に「十府」に佳字として「利」と「府」を当て、現在の「利府」という表記になったとされます。読みも「とふ」から「りふ」へと変化し、現在に至りました。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 平安 | 十府・十符 | 「十府の菅薦」で知られる古地名 |
| 室町 | 利府本郷 | 文禄4年(1595年)の記録に見える |
| 明治 | 利府村 | 1889年の町村制施行で成立 |
| 昭和 | 利府町 | 1967年に町制施行 |
地名の特徴
利府町は、丘陵地と湾岸が交差する地形にあり、古代から交通・物流の要衝として発展してきました。奥州街道の脇街道である利府街道や、仙台藩の宿駅としての利府宿の存在も、地名の「利便性の高い場所」という解釈を支えています。
また、同じく古地名や歌枕に由来する東北地方の地名と並んで、文芸史・交通史の両面から注目される地名です。