語源
「神戸(こうべ)」は奈良・平安時代の律令制に基づく「神封戸」に由来する。神封戸とは神社に租税や労役を提供するために指定された民の集落のことで、この地では生田神社に奉仕する民戸が置かれた。
大同元年(806年)に朝廷から生田神社に44戸の神封戸が下賜されたことが地名の起源とされる。「かんべ」という読みが時代とともに「こんべ」→「こうべ」へと転訛し、室町〜江戸時代にかけて「こうべ」の読みが定着した。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 奈良時代 | 神封戸 | 806年、生田神社への神封戸下賜が地名の起源 |
| 平安〜江戸 | 神戸村 | 神封戸の読みが「かんべ」→「こうべ」へ転訛 |
| 江戸時代 | 兵庫津 | 隣接する港町として繁栄。条約上の開港地は「兵庫港」 |
| 慶応3年 | 神戸開港 | 条約上は兵庫港だが開港場は神戸村に設定された |
| 明治22年 | 神戸市 | 市制施行。その後市域を拡大し現在の形へ |
地名の特徴
幕末まで「兵庫津」が港として知られており、「神戸村」は小さな集落に過ぎなかった。1868年の開港に際し、条約上の名称は「兵庫港」ながら実際の開港場が神戸村に設けられたことで「神戸」の名が国際的に広まった。「こうべ」という読みは古語の「頭(こうべ)」と字形が一致するが、語源は無関係で偶然の一致とされる。