語源
函館の地名は、もともと「箱館」と表記されていた。
室町時代の1454年頃、河野政通が現在の函館山麓周辺に築いた館が、箱のような形状をしていたことから「箱館」と呼ばれるようになったと伝えられている。この館は和人勢力の拠点として築かれ、道南地域の交易・支配の中心となった。
その後、地名として「箱館」が定着したが、明治2年(1869年)に政府が「箱」の字を「函」に改め、現在の「函館」という表記になった。
なお、それ以前の地域名としては、アイヌ語由来とされる「宇須岸(うすけし)」が知られており、「湾の端」を意味する語に由来する説がある。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 室町時代 | 宇須岸 | 現在の函館周辺地域の古称 |
| 室町時代 | 箱館 | 河野政通の館に由来 |
| 明治以降 | 函館 | 明治政府により表記変更 |
地名の特徴
函館は、日本で最初期に開港した国際港湾都市のひとつとして発展した地であり、地名にも中世以来の歴史が反映されている。
現在も「箱館」の旧表記は、箱館戦争 や「箱館奉行所」などの歴史用語に残されており、近世から近代への移行を象徴する名称として知られている。
特産・名物
函館市を代表する特産品は、津軽海峡で水揚げされる真いか(スルメイカ)である。函館港はかつて日本有数のイカ漁の基地として栄えており、活いかの刺身やいかそうめん、塩辛など多彩な加工品が地元の食文化を形成してきた。また、戸井地区で水揚げされる本マグロ(戸井マグロ)は、津軽海峡の激しい潮流で身が引き締まった高品質な天然マグロとして全国的に名が知られる。さらに、真昆布はアイヌの時代から採取されてきた函館近海の名産で、出汁用昆布として料亭などでも珍重される。函館市のふるさと納税返礼品にはいか刺し・いくら醤油漬け・戸井産本マグロ・真昆布締めうになど豊富な海産物が揃っており、港町ならではの食の豊かさを全国に届けている。