語源
廿日市という地名は、中世以来、現在の中央市民センター(天神)周辺で開かれていた「廿日(はつか)の市」に由来するとされています。厳島神社の年4回の祭礼の最終日がいずれも20日であったことから、鎌倉時代中期には毎月20日に市が立つようになり、「二十日の市」から「廿日市」という名称が徐々に定着したと考えられています。
もともとこの地域一帯は「佐西(ささい)の浦」と呼ばれていたとみられますが、厳島神社の再建に伴って対岸に鋳物師などが移り住み、塩や木材などの物資が集まるようになったことで、市場の機能が強まりました。地名としての「廿日市」の初出は1454年(享徳3年)とされ、現存する古い「市」地名の一つです。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 平安時代末期 | 佐西の浦 | 地域一帯の古い呼称とされる |
| 鎌倉時代中期 | 廿日(はつか)の市 | 毎月20日に市が立ったことに由来 |
| 室町時代 | 廿日市 | 文献上の初出が見られる |
| 明治以降 | 廿日市町・廿日市市 | 合併を重ねて現在の市域へ拡大 |
地名の特徴
廿日市は、厳島神社の門前町・宿場町として発展した点が大きな特徴です。日本各地にある「○日市」という地名の多くは安土桃山時代以降の市に由来しますが、廿日市は鎌倉時代に市立てされたことが確認されており、古い市地名として知られます。
また、同じ広島県西部の宮島と深い関わりを持ち、信仰・流通・交通の結節点として地名が形成されました。現在の市名も、こうした歴史的な市の記憶をそのまま受け継いでいます。