語源
知立市の地名は、古くは池鯉鮒や智鯉鮒などの字が当てられました。知立市の案内によると、江戸時代に東海道五十三次の宿場町としてこの表記がよく用いられ、また御手洗池に鯉や鮒が多くいたことに由来するともいわれています。
一方で、知立神社の由緒では、知立の語源を「茅立(チタチ)」、すなわち茅や菅が生い立つ湿地帯を干拓して造成した土地を指すものとする説も紹介されています。つまり、魚に由来する説と、湿地・地形に由来する説の両方が伝わっています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 平安 | 知立 | 『文徳天皇実録』『三代実録』に神階授与の記事が見える。 |
| 江戸 | 池鯉鮒 | 東海道の宿場町として広く用いられた表記。 |
| 江戸 | 智鯉鮒大明神 | 知立神社の旧称として見られる。 |
| 近代以降 | 知立市 | 市制施行後の行政地名。 |
地名の特徴
知立は東海道の宿場町として知られ、街道交通と深く結びついた地名です。周辺では知立神社が古くから信仰を集め、池鯉鮒大明神の名でも知られました。
また、同じ「ちりゅう」の読みを持つ表記が複数伝わる点が特徴的です。地名としての知立は、神社名・宿場名・土地の景観が重なって形成された、歴史の厚い地名といえます。
特産・名物
知立市を語るうえで欠かせないのがかきつばたです。平安の歌人・在原業平が伊勢物語で詠んだことでも名高い八橋は、かきつばたの名勝地として古くから知られており、市の花にも指定されています。5月頃には八橋かきつばた園に紫の花が咲き誇り、多くの観光客を集めます。
また、知立まんじゅうは東海道の宿場町・池鯉鮒宿に由来する銘菓で、江戸時代から旅人に親しまれた歴史を持ちます。知立市はふるさと納税の返礼品にスイーツを積極的に取り入れており、地域の菓子文化を全国に発信しています。