語源
知多は、古代から続く郡名で、現在の知多市を含む地域一帯を指していました。『日本後記』『和名抄』には「智多郡」、『延喜式』には「知多郡」、万葉集には「知多乃浦」の表記が見られます。
郡名の由来については、古事記に見える尾張連氏に連なる知多臣氏の名に由来するという説があります。そのほか、田が多いことから「千田」とする説や、「チ」を港の意、あるいは「津(ツ)」の転とみる説もあります。
市名の知多市は、この古い郡名を借用したものです。知多海苔や知多木綿の産地として知られ、古くから「知多浜」と呼ばれた土地であったことから、地域名として定着していた「知多」が市名に採られました。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 古代 | 智多郡 / 知多郡 | 郡名として文献に見える |
| 中世以降 | 知多 | 半島名・地域名として定着 |
| 昭和30年 | 知多町 | 八幡町・岡田町・旭町が合併して発足 |
| 昭和45年 | 知多市 | 市制施行により現在の市名となる |
地名の特徴
知多市の「知多」は、市域だけでなく知多半島全体を表す広い地域名でもあります。そのため、同じ語源を持つ地名として、知多郡、知多半島、知多木綿、知多海苔などが挙げられます。
また、知多半島は古くから海と陸の生業が結びついた地域で、地名もそうした広域の歴史や産業と深く関わってきました。市名は、地域の歴史的な呼称をそのまま受け継いだ例といえます。
特産・名物
知多市を代表する特産品は**佐布里梅(そうりうめ)**です。知多市佐布里池周辺で栽培され、愛知県の天然記念物にも指定されているこの梅は、梅酒や梅干し、梅ジャムなどの加工品に広く用いられています。約6,000本の梅の木が咲き誇る佐布里池は、愛知県内有数の梅の名所としても知られています。
また、知多半島一帯ではキャベツや蕗(ふき)などの野菜栽培も盛んです。岡田地区は江戸時代から続く知多木綿の産地としても歴史的に知られており、地域の伝統産業の痕跡が今も残っています。佐布里梅の加工品はふるさと納税の返礼品としても人気があります。