語源
「宮城」の語源には複数の説がある。
地形由来説:『古代地名語源辞典』によれば、「ミヤギ」は「ミ(美称の接頭語)+ヤギ(ヤキ)」の構成で、「ヤキ(ヤギ)」は湿地・低湿地帯を意味する古語とされる。宮城郡一帯は七北田川や梅田川などが流れる低湿地であり、地形的な特徴を表した地名という解釈である。
宮・城由来説:奥州の一宮である塩竈神社・志波彦神社、陸奥国分寺などの「宮(神社・寺院)」と、朝廷が東北支配の拠点として設置した多賀城(「城」)が宮城郡内に集中していたことから「宮城」となったとする説。大和朝廷が東北経営のために置いた両者の存在が地名に反映されたとみられる。
屯倉説:朝廷の直轄耕作地である「屯倉」が「みやき」と転じ、宮城になったとする説もある。
県名確定の経緯
1871年(明治4年)の廃藩置県により仙台県が成立した。しかし同年11月、全国的な県の統廃合の中で仙台県は宮城県に改称された。仙台(城下町名)ではなく、古代からの郡名「宮城郡」が採用されたのは、奈良時代以来の歴史的な重みを持つ行政地名が優先されたためとみられる。
歴史的変遷
| 時代 | 区分・名称 | 備考 |
|---|---|---|
| 律令期 | 陸奥国(むつのくに) | 多賀城が陸奥国府として機能 |
| 江戸時代 | 仙台藩(伊達藩) | 伊達政宗が62万石の大藩を統治 |
| 1871年(明治4年)7月 | 仙台県 | 廃藩置県で成立 |
| 1871年(明治4年)11月 | 宮城県 | 郡名「宮城郡」に基づき改称 |
地名の特徴
「宮城」は都道府県名の中でも「宮(みや)」を含む珍しい例である。東北地方の中心都市・仙台を擁し、古代の陸奥国府・多賀城跡が国の特別史跡に指定されるなど、歴史的な行政拠点としての役割を長く担ってきた地域である。現在も「宮城野」「宮城県沖地震」など「宮城」の名は広く使われている。