語源
「福岡」という地名の由来は、江戸時代初期の武将黒田長政にある。関ヶ原の戦い(1600年)で徳川家康側に貢献した黒田長政は筑前国を与えられ、名島城から現在地に拠点を移して新たな城を築いた。
その際、黒田家の先祖ゆかりの地である**備前国邑久郡長船(現在の岡山県瀬戸内市長船町)の「福岡」**という地名を城名・城下町名に採用した。「福(幸福・縁起の良い意)」と「岡(丘・高台)」を組み合わせた吉祥地名で、この城下町「福岡」が廃藩置県で県名となった。
他県(現在の岡山県)の地名が県名の由来になっている唯一の事例として知られる。
県名確定の経緯
1871年(明治4年)7月の廃藩置県で福岡県・秋月県等が設置された。同年11月の第1次府県統合で筑前国一円が福岡県に統合され、1876年(明治9年)8月には筑後国一円(旧三潴県)が福岡県に編入されて現在の県域が確定した。
歴史的変遷
| 時代 | 区分・名称 | 備考 |
|---|---|---|
| 律令期 | 筑前国・筑後国 | 7世紀末に筑紫国を前後に分割 |
| 江戸初期(1601年) | 福岡城築城 | 黒田長政が「福岡」の地名を採用 |
| 江戸 | 福岡藩 | 黒田氏が藩主 |
| 明治4年(1871) | 福岡県等 | 廃藩置県で設置 |
| 明治9年(1876) | 現在の福岡県 | 筑後国を編入し県域確定 |
地名の特徴
福岡県は「博多」と「福岡」という二つの地名が長く共存してきた特異な歴史をもつ。江戸時代は那珂川を挟んで商人の町「博多」と武士の町「福岡」が対立し、廃藩置県の際も「博多県」とすべきか議論があった。現在も博多駅・博多港など「博多」の名称が広く使われている。