語源
甲州市の地名、とくに旧塩山地域の「塩山」は、市内南西部にある塩ノ山に由来するとされています。市の公式案内では、塩ノ山は「四方からよく見える」「四方がよく見える」という意味の「しほうのやま」が転じた山名と説明されています。
また、塩ノ山には大力の坊主デーラボッチが山を運んできたという伝説も伝わっています。古今和歌集の「志ほの山 差出の磯に すむ千鳥 君が御代をば 八千代とぞなく」にも詠まれ、古くからめでたい山として知られていました。
一方で、地名研究では「塩」は食塩ではなく、山の姿が「しぼむ」「しおれる」ように見えることから付いた地形由来の名とみる説も紹介されています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 不明 | 塩ノ山 | 山名として伝承・和歌に見える |
| 不明 | 塩山 | 塩ノ山に由来する地域名として定着 |
| 平成 | 甲州市 | 2005年に塩山市などが合併して成立 |
地名の特徴
甲州市の地名は、山岳地形と歴史文化が重なっている点が特徴です。とくに塩山地域は、塩ノ山を中心に古くから人々に親しまれ、周辺には寺社や文化遺産が多く残ります。
同じ「塩」を含む地名でも、海塩や産業由来ではなく、山の見え方や地形感覚から生まれたと考えられる点が興味深いところです。