語源
御坊市の地名は、現在の本願寺日高別院が、地域の人々から「御坊さん」と親しまれて呼ばれたことに由来します。寺は天文9年(1540年)に湯川直光によって吉原に建立され、のちに豊臣秀吉の紀州攻めで焼失した後、文禄4年(1595年)に現在地へ移されました。
その後、寺の周辺は「御坊所」とも呼ばれ、寺内町として発展しました。やがて「御坊さん」という呼称が地名として定着し、御坊市の名の起こりになったとされています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 室町 | 吉原坊舎 | 湯川直光が吉原に建立した本願寺の坊舎 |
| 安土桃山 | 薗坊舎 | 焼失後、薗浦の椿原に仮堂として再建 |
| 安土桃山 | 日高坊舎 | 文禄4年に現在地へ移転し、のちの御坊の起点 |
| 江戸 | 御坊さん / 御坊所 | 寺の通称が町名のもとになった |
| 明治 | 御坊町周辺 | 寺内町・商業町として発展 |
| 昭和 | 御坊市 | 市制施行により現在の市名となる |
地名の特徴
御坊の地名は、寺院の通称がそのまま地域名へ広がった例として知られます。和歌山県内でも、寺内町の形成と地名の定着が結びついた代表的な事例です。
また、御坊市の中心部には日高別院を核とした古い町並みが残り、地名の由来と歴史的景観が今も強く結びついています。