語源
福生市は、市名の由来について「諸説あるが定説はありません」と明記しています。市が挙げる説は次のとおりです。
『福生市史』(1994年)が採る説
- 「ふさぐ」説 — 「ふっさ」とは北方から来る敵を防ぐ土地であり、北方を「ふさぐ(塞)」要衝の地を意味するとする説。室町時代の福生周辺は小宮氏の支配地で、武蔵野方面への進出最前線・北部方面の防衛最前線にあたる軍事上の要地でした
- 福神信仰説 — 室町時代の福神信仰の流行のなかで、繁栄を象徴する「福」と「生」の字が充てられたとする説
『福生町誌』(1960年)が採っていた説
- 麻説 — 麻の古語「総(ふさ)」「房(ふさ)」から「総生(ふさふ)」が転じたとする説
- アイヌ語説 — 「湖のほとり」を意味する「フッチャ」が転じたとする説
- 地形説 — 「阜沙」から派生し、「阜」は丘や土山、「沙」は砂原や川岸を意味するとする説
説の出発点が軍事・信仰・植物・言語・地形と大きく分かれており、一つに絞る材料はありません。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 室町 | 福生 | 小宮氏の支配下。福神信仰の流行期にあたる |
| 昭和 | 福生町 | 町制施行 |
| 昭和 | 福生市 | 1970年に市制施行 |
地名の特徴
「福生」は、漢字の意味からは「福が生まれる」と読めて縁起がよく見えます。福神信仰説はまさにその佳字としての読み方を由来とみるものですが、他の説はいずれも「ふさ」という音が先にあったとする立場です。
読みが「ふっさ」と特殊で、東京都内でも読み方が難しい自治体名として知られます。