語源
足立区の地名は、古代の行政区画である武蔵国足立郡に由来します。足立郡は大化の改新後に設けられた郡の一つで、現在の埼玉県鴻巣市から足立区付近までを含む南北に細長い地域でした。
区の公式説明では、「足立」は万葉仮名で「阿太知」と表記された古い地名であり、奈良時代の天平7年(735年)の木簡にも確認できるとされています。これに対して、地域の湿地に葦が多く生えていたことから「葦立ち(あしだち)」が転じたとする説もありますが、公式には古代郡名に由来する説明が採られています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 奈良 | 足立郡 | 天平7年(735年)の木簡に記録が見られる |
| 江戸 | 南足立郡周辺 | 江戸幕府の支配下で村々が形成される |
| 明治 | 南足立郡 | 明治11年に設置 |
| 昭和 | 足立区 | 昭和7年10月1日に区制施行 |
地名の特徴
足立の名は、現在の足立区だけでなく、かつての広い郡域を示す古代地名としての性格を持っています。東京23区の中でも、古代郡名をそのまま区名に受け継いだ例として知られます。
また、同じく湿地や葦原に由来するとされる地名は各地に見られますが、足立区については、古文書・木簡に残る郡名の存在が重要な手がかりになっています。