語源
見沼区の区名は、かつてこの地域に広がっていた見沼に由来します。埼玉県の資料では、見沼は古くは東京湾の入江が後退してできた沼・湿地であり、区の西部・南部・南東部に広がっていたとされています。
語源については確定していませんが、レファレンス協同データベースでは「三つの沼だったので三沼」「御沼(おみぬま)」「箕のような形をした沼で箕沼」「美しい沼で美沼」「深い沼で深沼」など、複数の説が紹介されています。いずれも、沼地そのものの性格を反映した地名と考えられます。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 不明 | 見沼 | かつての沼地の名として伝わる |
| 江戸 | 三沼・御沼など | 諸説があり、表記も揺れがあった |
| 昭和 | 見沼区 | さいたま市の行政区名として成立 |
地名の特徴
見沼区の地名は、周辺の「見沼田圃」と強く結びついています。現在も低地・水辺の地形を背景にした地名が多く、地域の歴史をたどるうえで重要な手がかりになっています。
また、同じ「見沼」を含む地名は、さいたま市周辺の歴史地理を示す名称としても知られ、干拓や治水の歴史とあわせて理解すると、地名の成り立ちがより分かりやすくなります。
特産・名物
見沼区は、かつての見沼の湿地帯が干拓されて生まれた農業地帯「見沼田圃」を中心に、農産物の産地として知られる。区内では植木・苗木の生産が盛んで、見沼田圃の低地を活かした農業が営まれている。また、くわい(慈姑)の産地としても知られており、区内の膝子出荷組合を中心に生産が続けられている。くわいは正月の縁起物として需要があり、埼玉県内でも有数の産地の一つである。
見沼田圃では稲作も行われており、無農薬・無化学肥料で栽培された「見沼田圃ほたる米(コシヒカリ)」が特産米として知られている。蛍が飛び交う豊かな自然環境の中で育まれたこの米は、環境保全型農業の取り組みを象徴する産品でもある。さらに、さいたま市発祥のさつまいも「紅赤(べにあか)」も区内の農家によって受け継がれており、栗のような風味とホクホクした食感が特徴のこの品種は「さつまいもの女王」の異名を持つ。
さいたま市のふるさと納税(「ふるさと応援」寄附)の返礼品には見沼田圃ほたる米も含まれており、見沼区の農産物が全国に発信されている。