語源
阪南市一帯は、古来より和泉国日根郡鳥取郷と呼ばれてきました。市の公式解説では、この「鳥取」の地名は930年代に編纂された『倭名類聚抄』に見え、さらにそれ以前の『日本書紀』に、白鳥を捕えた功によって「鳥取造」や「鳥取部」が定められたという説話が記されています。
このため、阪南市の地名は、古代の行政地名としての「鳥取郷」に由来するとともに、鳥にまつわる古い伝承とも結び付けて理解されます。もっとも、説話部分は伝承的な色彩が強く、実際の地名成立は古代の地域名の継承として捉えるのが自然です。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 奈良 | 和泉国日根郡鳥取郷 | 市域の古称として確認される古代地名 |
| 平安 | 鳥取荘・筥作荘 | 荘園名として史料に見える |
| 江戸 | 鳥取庄・下ノ庄 | 近世の村落支配のまとまり |
| 昭和 | 阪南町 | 1972年、南海町と東鳥取町が合併して成立 |
| 平成 | 阪南市 | 1991年に市制施行 |
地名の特徴
阪南市の地名は、中心的な旧地名である「鳥取」を軸に、周辺の「箱作」「淡輪」「尾崎」などの地名とともに歴史的に受け継がれてきました。市内には「和泉鳥取」「鳥取中」「鳥取三井」など、古い地名を残す町名も多く、古代から近世・近代へと続く地域の連続性がうかがえます。
また、同じく「鳥取」の地名は倭名類聚抄に複数の国で見られるため、阪南市の「鳥取」も広域的な古代地名の系譜の中に位置づけられます。
特産・名物
阪南市は大阪湾岸に面した立地を活かした水産物と農産物の産地です。なかでも泉州水なす(みずなす)は全国に名高い特産品で、アクが少なく生食が可能な甘みの強いなすです。小えびと一緒に炊いた郷土料理「じゃこごうこ」は地域の食文化を伝える一品として受け継がれています。泉たこと泉州玉ねぎも旬の時期には全国からファンが訪れる産品として知られています。
ふるさと納税の返礼品では、えびが年間寄附申込のトップに輝き、2位には泉州の誇る泉州タオルが続いています。大阪が誇るブランド牛「なにわ黒牛」や水産加工品も人気の返礼品として揃っています。