語源
南区は、堺市の南部に位置することから「南区」と命名されました。2006年4月1日、堺市が政令指定都市に移行した際に設置された行政区です。
区名の決定には特筆すべき経緯があります。政令市昇格前に行われた住民投票では「泉北区」を望む声が大半を占めましたが、堺市は他の地区を「東・西・北」などと統一する方針をとったため、最終的に「南区」と命名されました。このため、南区は7区の中でも区名の由来がやや特殊です。
主な地名の由来
区の歴史的な地名として、『日本書紀』にも登場する**陶邑**があります。この地名は古代の須恵器生産地に由来しており、区内には800基近くの窯跡が確認されている「陶邑窯跡群」が残っています。日本最大級の須恵器生産遺跡として知られ、考古学上の重要地です。
また、奈良時代の高僧・行基は堺の家原寺で生まれたとされており、区内には行基にちなむ地名が多く見られます。
近代以降は、昭和42年(1967年)から開発が始まった泉北ニュータウンが区域の大部分を占めるようになり、「泉ヶ丘」「栂」「光明池」など、地形や旧来の地名に由来する新しい地名が生まれました。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 古代 | 陶邑 | 日本最大の須恵器生産地として記録 |
| 昭和42年 | 泉北ニュータウン開発開始 | 石津川・和田川の侵食谷を活用した計画都市 |
| 平成18年 | 南区 | 堺市政令指定都市移行により設置。住民投票では「泉北区」が多数だったが統一性のため南区に |
地名の特徴
南区は、古代の須恵器生産という歴史的遺産と、昭和期の計画都市開発という対照的な性格を併せ持つ地域です。区内には国の名勝・桜井神社(本殿は国宝級の建造物)や、陶邑窯跡群など文化財が多く残る一方、泉北ニュータウンとして大規模開発が行われた堺市随一の計画市街地でもあります。かつては市内最大の人口を有していましたが、ニュータウンの成熟とともに人口減少が続いています。
特産・名物
南区には泉北ニュータウン開発とともに整備された農業地帯が残っており、「堺のめぐみ」ブランドの新鮮な野菜が直売所で販売されています。また区内南部の緑豊かな丘陵地帯では、農業体験や旬の野菜の収穫が楽しめるファームが点在しています。
堺市の伝統産業である堺打刃物・くるみ餅・堺線香はふるさと納税で堺市全域からの返礼品として選択できます。南区の桜井神社や光明池周辺を訪れた際には、堺の伝統的な手工芸品もあわせてお楽しみいただけます。