語源
「那覇」の地名については、琉球語・沖縄語に基づく複数の説がある。
「漁場(なは・なば)」説(最有力): 沖縄学の父と呼ばれる伊波普猷が唱えた説で、古来この地が魚の豊かな漁場(なは・なば)であったことに由来するとする。国場川・安里川・久茂地川の河口に堆積した土砂が浅瀬や漁礁を形成し、川から流れ込む養分が魚の餌となる環境を作っていた。那覇市の公式サイトもこの説を紹介している。
「怪石(ナバ)」説: 古文献『琉球国由来記』等に記された民間伝承で、呉姓我那覇の家に茸(キノコ)に似た怪石があり、古い方言でキノコを「ナバ」と呼ぶことから「奈波」「那覇」と呼ぶようになったとする説。
15世紀の朝鮮文献『海東諸国紀』には「那波」と表記されており、「なは」「なば」という音が古くから存在したことが確認できる。
歴史的変遷
| 時代 | 記録・出来事 |
|---|---|
| 琉球王朝時代 | 「浮島」と呼ばれた陸続きでない中洲状の地 |
| 15世紀 | 長虹堤が築かれ那覇と首里が陸続きになる |
| 中世〜近世 | 「唐、南蛮寄り合う那覇泊」と歌われた国際貿易の窓口として発展 |
| 1879年 | 廃藩置県により沖縄県が成立、那覇に県庁が置かれる |
| 1921年 | 那覇市として成立 |
| 1945年 | 沖縄戦で壊滅的被害を受ける |
| 1972年 | 本土復帰により沖縄県が日本に返還される |
地名の特徴
「漁場」という生業を地名の起源とする那覇は、その後琉球王国の海外交易の中心地として発展した。地名の由来が漁場であることと、海洋交易で栄えた歴史的役割の間には深い連続性がある。現在も沖縄県の県庁所在地として県政・経済の中心を担っている。