語源
「奈良」の地名の由来については諸説あるが、土地を「平す」「均す」という動詞と同源とする説が最も有力とされている。柳田國男の『地名の研究』でも論じられており、緩やかな傾斜の平らな土地を指す言葉が地名として定着したと考えられる。
その他の説として、日本書紀に登場する「那羅山(ならやま)」に由来するという説や、朝鮮語の「나라(ナラ)」(国の意)からの借用語とする説もあるが、後者は現在では広く受け入れられていない。
古代の表記は多彩で、「乃楽」(日本書紀)、「那羅・那良」(古事記・日本書紀)、「平城」(万葉集・続日本紀)、「寧楽」(万葉集)など、いずれも「なら」という音を写したものである。現在の「奈良」という表記は万葉集以降に定着した。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 古代 | 那羅・那良・乃楽 | 古事記・日本書紀に記載 |
| 奈良時代 | 平城・寧楽 | 万葉集・続日本紀に記載。「ならのみやこ」と読む |
| 平安時代 | 南都(なんと) | 平城京遷都後、京都(北都)に対して用いた呼称 |
| 以降 | 奈良 | 現在の表記として定着 |
地名の特徴
奈良盆地は三輪山などの山々に囲まれた緩やかな平坦地であり、「平す」という地形描写が地名の由来とされる背景と合致している。710年(和銅3年)に平城京が置かれ、日本の都として栄えた。現在でも「古都奈良」として世界遺産に登録された文化財が多く残る。