語源
「知名(チナ)」の地名は、沖永良部島の島言葉では「ジンニャ」と呼ばれる。その語源は**「キナ」**という島言葉にあり、「焼畑を行う場所」を意味する。
地理的に見ると、知名は島内でひときわ大きな丘である大山の南側に位置しており、日当たりが良好であった。このことから、島内でも最大規模の焼畑耕作地として利用されており、その特徴がそのまま地名として定着したと考えられている。
「キナ」を語源とする地名は沖永良部島に複数分布しており、「内喜名」「手々知名」「田皆」などが同系統の地名として知られる(これらをまとめて「キナ系地名」と呼ぶ)。島言葉の音韻変化を経て、元の「キナ」が「チナ」・「ジンニャ」などへと変化した。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 近世以前 | (キナ・チナ) | 焼畑耕作地を意味する島言葉で呼ばれていた |
| 明治41年(1908年) | 知名村 | 島嶼町村制施行により発足 |
| 昭和21年(1946年) | (米軍統治下) | 奄美諸島が日本施政権外となる |
| 昭和28年(1953年) | 知名村(日本復帰) | 奄美群島の日本復帰 |
| 昭和37年(1962年) | 知名町 | 町制施行 |
地名の特徴
知名町は鹿児島県大島郡に属し、沖永良部島の西半分を占める。島言葉(シマムニ)は琉球諸語の一方言に位置づけられ、日本語とは別系統の音韻体系を持つ。このため、地名の表記と実際の島言葉での呼び名が大きく異なることも多い。
島内の多くの地名は水資源・地形・土地利用を反映しており、キナ系地名のほかにも、古い農業・生活文化を今に伝える地名が各所に残っている。