🗾 地名由来辞典

金沢市 かなざわし

石川県 / 金沢市 江戸時代由来

AI生成

山科の農民・藤五郎が芋を洗った沢から砂金が出たという伝説に由来し、「金洗いの沢」が「金沢」へと転じたとされる。室町時代後期の史料に文献初出がある。

語源

「金沢」の地名の由来として広く知られるのは「藤五郎伝説」である。山科から移り住んだ農民・藤五郎が兼六園けんろくえん付近の沢で山芋を洗っていたところ砂金が流れ出たため、その沢は「金洗いの沢」と呼ばれるようになり、やがて「金沢」の地名が生まれたとされる。この沢は現在の金城霊澤きんじょうれいたく(兼六園内・金沢神社脇)とも伝わる。

学術的には、藤五郎伝説は全国各地に見られる「長者伝説」の一類型であり、後から付加された説話とする見方もある。文献上は文明13年(1481年)の「加州金沢惣持寺」の記述が初出とされ、砂金採取の行われた地形に由来する地名であることは共通して認められている。

歴史的変遷

時代呼称・区分備考
室町後期金沢文明13年(1481年)の史料に「加州金沢惣持寺」と記録
安土桃山尾山(おやま)天文15年(1546年)金沢御堂建立。「尾山」の呼称が並存
1583年尾山→金沢前田利家が金沢城(旧尾山御坊)に入城。のち「金沢」に再統一
江戸金沢加賀藩「加賀百万石」の城下町として繁栄。江戸・大坂・京に次ぐ大都市
1889年金沢市明治22年、市制施行

地名の特徴

江戸時代の金沢は、加賀藩前田家の城下町として人口10万人を超え、「加賀百万石」の中核として文化・工芸が栄えた。金沢箔・加賀友禅・九谷焼などの伝統工芸は今も続いており、「小京都」とも称される。金城霊澤は現在も金沢神社境内に湧水が残り、地名の由来を今に伝える史跡となっている。

特産・名物

金沢市は「加賀百万石」の城下町として多彩な食文化と伝統工芸が息づく。海の幸では、秋冬に水揚げされる香箱蟹こうばこがに(ズワイガニのメス)が珠玉の一品で、金沢港産の紅ズワイガニとともにふるさと納税返礼品でも人気が高い。農産物では加賀野菜の一つ五郎島金時ごろうじまきんとき(さつまいも)が知られ、金沢の砂丘地で栽培される。伝統食品では加賀麩(不室屋)やきんつば(中田屋)が銘菓として名高い。工芸品では金沢箔・加賀友禅・九谷焼などが生産され、工芸品もふるさと納税返礼品として数多く登録されている。

地名の変遷

  1. 室町 石浦村 — 現在の金沢市中心部の旧称
  2. 安土桃山 尾山 — 浄土真宗の金沢御堂(尾山御坊)が置かれた地名。前田利家入城後も一時使用

参考資料・出典

最終更新: 2026-06-18