語源
香取の地名は、香取神宮の門前町として発達した「香取」に由来すると考えられています。『万葉集』第11巻2436番には「香取海(香取の海)」の表記が見え、少なくとも古代にはこの名が用いられていました。
ただし、「かとり」の語源そのものについては諸説あり、梶取・神鳥・鹿取などの説が紹介されています。現時点では、地名の成立過程を一つに断定できるだけの決定的資料はなく、古い表記と香取神宮との結びつきが重要な手がかりになっています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 奈良 | 香取海 | 『万葉集』に見える古い表記 |
| 平安 | 香取郷 | 『和名抄』にみえる郡域の地名 |
| 鎌倉 | 香取村 | 香取社大禰宜家文書に見える |
| 江戸 | 香取町 | 香取神宮の鳥居前町として発展 |
| 昭和 | 香取市 | 2006年に佐原市などと合併して成立 |
地名の特徴
香取市の「香取」は、地名・神社名・海の名が重なって伝わる点が特徴です。市域には香取神宮を中心とする門前町の歴史があり、周辺には「香取海」と呼ばれた古い内海の記憶も残ります。
同じ「香取」を名乗る地名は、香取郡や香取神宮周辺に広く見られ、地域の歴史と信仰が地名の定着に強く関わってきたことがうかがえます。