語源
「千葉」の語源には複数の説があり、現在も確定的な定説はない。
茅生(ちぶ)説:茅(ちがや)が生い茂る土地を指す「茅生(ちぶ)」が音変化して「ちば」になったとする説。植物由来の地名として広く知られる。
地形(台地の端)説:古語で崖地・断崖を意味する「ツバ」が転じて「チバ」になったとする説。下総台地の縁に位置する地形的特徴と合致する。
葛の枕詞説:葛が繁茂することを「千の葉が茂る」と表現し、土地と子孫の繁栄を願った地名とする江戸期国学者・契沖以来の解釈。
なお、千葉氏がその名の由来とする説は否定されている。平安中期の『倭名類聚鈔』にすでに「下総国千葉郡千葉郷」の記述があり、地名が先に存在し、千葉氏が後からこの地に移住して地名を家名として採用したことが明らかになっている。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称・区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 奈良以前 | 千葉国造 | 律令制以前の地方豪族の支配域 |
| 奈良 | 下総国千葉郡 | 万葉集(755年頃)に「千葉の野」の詠み込みあり |
| 平安 | 千葉郡千葉郷 | 倭名類聚鈔に記録。現・稲毛区穴川・黒砂付近に比定 |
| 平安末期 | 千葉氏の本拠 | 1126年、平常重が亥鼻台へ居館を移し「千葉介」を名乗る |
| 明治 | 千葉県設置 | 1873年、千葉郡千葉町に県庁が置かれる |
| 大正 | 千葉市 | 1921年(大正10年)市制施行 |
地名の特徴
「千葉」の地名は万葉集に詠まれるほど古く、少なくとも奈良時代以前から存在した。千葉氏は平安末期から鎌倉時代にかけての有力御家人で、源頼朝挙兵(1180年)に際していち早く呼応した千葉常胤で知られる。千葉市では2026年を「開府900年」と位置づけ、1126年の千葉常重による亥鼻台への移住を開府の起点としている。