語源
「仙北(せんぼく)」は、「山北」の表記違いである。『日本歴史地名大系』は「雄勝・平鹿・山本三郡は山北(せんぼく)(仙北)三郡と総称された」と記す。奥羽山脈から西へ延びる山地の北側に開けた横手盆地一帯を、「山の北」と呼んだ広域の呼称である。
この一帯は、古代から近世初期まで「山本郡」といった。戦国期には仙北三郡が北浦(現在の仙北郡域)・上浦(現在の平鹿郡・雄勝郡域)と称され、「仙北中郡」の称も見える。寛文4年(1664)、幕府の命による郡の整理で山本郡が「仙北郡」と改められた。改称後も「北浦」の通称は残り、前北浦・奥北浦などとも呼ばれた。
なお、「仙北」は古い資料では「山北」のほか「仙福」「仙乏」などと書かれることもあったとされるが、この異表記については典拠が明確でない。
現在の仙北市は、平成17年(2005)に田沢湖町・角館町・西木村が合併して成立した市で、市名はこの郡名を採ったものである。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 古代〜近世初期 | 山本郡 | 現在の仙北郡域を指した郡名 |
| 中世 | 山北(仙北)三郡 | 雄勝・平鹿・山本の三郡の総称。戦国期には北浦・上浦とも称された |
| 江戸(寛文4年・1664) | 仙北郡 | 幕府の命による郡の整理で山本郡を改称 |
| 平成17年(2005) | 仙北市 | 田沢湖町・角館町・西木村が合併して成立 |
地名の特徴
「仙北」は、漢字が音を裏切っている地名である。「仙」の字からは仙人や霊山を連想しがちだが、由来は「山北」——山の北側という、きわめて素朴な位置の表現にすぎない。音が先にあり、漢字は後から当てられた地名の典型である。
同じ地域の名を継いだ市はもう一つあり、大仙市は大曲市の「大」と仙北郡の「仙」を採った合成地名である。かつての仙北郡域は、現在この二つの市に分かれている。
特産・名物
仙北市は、水深日本一の田沢湖や「みちのくの小京都」と呼ばれる角館の歴史的な町並みなど、豊かな自然と文化が融合した地域です。特産品としては、地域の恵みを活かした食料品から工芸品まで幅広く展開されています。
【主な特産品・名物】
- 稲庭うどん: 伝統製法を守り続ける老舗の味は、その繊細な風味とコシが特徴です。秋田県を代表する銘麺として知られ、幅広い世代に愛されています。
- あきたこまち(米): 秋田平野で育まれた高品質な米は、炊き立てはもちろん、お弁当やおにぎりなど冷めても美味しく食べられる点が魅力です。
- 西明寺栗: 仙北市を代表する農産物の一つで、「日本一大きくて美味しい」と謳われるほど大きなサイズが特徴です。秋の味覚として地元民から高い人気を集めています。
- スイーツ・工芸品: 「あきたプリン亭」などの手作りお菓子や、地域の木材を活用した雑貨など、観光資源を活かした商品開発が進んでいます。
特に「稲庭うどん」をはじめとする秋田の銘品や、地元のスイーツは人気が高く、お土産やご自宅用としても大変おすすめです。