語源
「由利本荘」は、2005年(平成17)3月に本荘市と由利郡の矢島町・岩城町・由利町・西目町・鳥海町・東由利町・大内町が合併して成立した市の名で、郡名「由利」と旧市名「本荘」を並べた合成地名である。どちらか一方を捨てず、広域の郡名と中心市街の名を重ねた形になっている。
由利
「ゆり」の表記は古くから一定しなかった。由利本荘市が公開する『矢島の歴史』の一節によれば、地名辞書には古書に郡名を「百合」「油理」「油里」「由理」などと記し、元禄時代に現在の「由利」に改められたとある。同書は「『ゆり』の語源については、いろいろ意見がある」と断ったうえで、百合の花にもとづく名称と考えられるとし、由利原から鳥海山下の幅野にかけては山百合の咲く頃には一面が百合の花になる、と記している。
また同書は、由利郡が成立する以前に『和名抄』に**「由理郷」**の名が見えることに注意を促し、この郷名がもとで後世に郡名へ移行したものと考えられるとする。
文献上の現れ方については、『日本歴史地名大系』が『続日本紀』宝亀11年(780)に**「由理柵」**の表記を挙げるが、この時点では郡として成立していない。郡名としての「由利郡」の初見は『吾妻鏡』建暦3年(1213)5月7日条である。
本荘
「本荘」は近世の城下町の名で、『改訂新版 世界大百科事典』は元和8年(1622)に最上氏の改易により六郷氏が入り、2万石をうけて本荘と称したと記す。ただし、なぜこの名が選ばれたかについての説明は、辞典類には見あたらない。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 奈良(780) | 由理柵 | 『続日本紀』宝亀11年条。まだ郡ではない |
| 平安 | 由理郷 | 『和名抄』に見える郷名。のちの郡名の元とみられる |
| 鎌倉(1213) | 由利郡 | 『吾妻鏡』建暦3年5月7日条に郡名として初見 |
| 江戸(1622) | 本荘 | 元和8年、六郷氏が入部し本荘と称した |
| 江戸(元禄期) | 由利郡 | 「百合」「由理」などの表記が「由利」に改められる |
| 平成17年(2005) | 由利本荘市 | 3月、本荘市と由利郡7町が合併して成立 |
地名の特徴
由利本荘市の名は、由来の性格が異なる二つの地名を継ぎ合わせたものである。「由利」は奈良時代の柵の名にまで遡る古い広域地名で、その語源には百合の花にちなむ説が地元に伝わる。「本荘」は近世に城下町として付けられた新しい名である。古代の郡名と近世の町名が、平成の合併によって一つの市名に並んだ形になっている。
なお「由利」の語源については、地元で百合説が有力視される一方、辞典類は語源に触れておらず、確定した説明があるわけではない。表記が「百合」「油里」「由理」と揺れてきたこと自体、音が先にあって漢字は後から当てられたことを示している。
特産・名物
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秋田由利牛
鳥海山麓の清らかな水と豊かな牧草に恵まれた環境で育てられる黒毛和牛で、きめ細かな脂と赤身の旨みが特徴です。由利本荘市を代表するブランド牛として知られ、ふるさと納税の返礼品にも登録されています。 -
ひとめぼれ・あきたこまちなどの米
由利本荘市では、食味ランキングで特Aを獲得した「ひとめぼれ」をはじめ、「あきたこまち」「ゆめおばこ」などの米が人気です。鳥海山の恵みを受けた良質な水と肥沃な土地が、おいしい米づくりを支えています。 -
ブルーベリーや桃などの果物
市内では大粒の生ブルーベリーや、鳥海の恵みを受けた桃が返礼品として出されています。果樹栽培が盛んで、旬の時期にはみずみずしい味わいが楽しめます。 -
本荘ハムフライ
県内産豚肉を使ったハムカツ風の揚げ物で、地元ではソウルフードとして親しまれています。揚げたてに特製ソースをかけて食べるのが定番で、子どものおやつや給食にも登場する身近な名物です。