語源
「鳥取」という地名は、古代の職能集団である**鳥取部**に由来する。鳥取部とは、宮廷に献上するための水鳥(愛玩用の鳥)を捕獲することを職とした部民集団のことである。
その起源は『日本書紀』垂仁天皇二十三年の条にある説話に求められる。成人しても言葉を発することができなかった誉津別王子が、空を飛ぶ白鳥を見て初めて言葉を発した。天皇は白鳥の捕獲を命じ、天湯河板挙が鳥を追い続け、ついに出雲の地で捕獲に成功した。この功績により「鳥取造」の称号を授けられ、その地が「鳥取」と呼ばれるようになったとされる。
県名確定の経緯
廃藩置県(1871年)の際、旧鳥取藩の領地に鳥取県が設置された。一時期は島根県に合併されたが、1881年(明治14年)に再び分離・独立し、現在の鳥取県となった。
歴史的変遷
| 時代 | 区分・名称 | 備考 |
|---|---|---|
| 律令期 | 因幡国・伯耆国 | 令制国として別々に統治 |
| 江戸 | 鳥取藩 | 池田氏が藩主 |
| 明治4年(1871) | 鳥取県 | 廃藩置県で設置 |
| 明治9年(1876) | 島根県に合併 | 一時的に廃県 |
| 明治14年(1881) | 鳥取県として再置 | 分離・独立して現在に至る |
地名の特徴
「鳥取」は動物(鳥)と職能(取る)を組み合わせた地名で、古代日本の職業的部民制度を色濃く反映した名称である。現代でも「鳥取砂丘」や「因幡の白兎」など、動物にまつわる地域の伝承・文化が豊かであり、地名の由来ともよく調和している。全国最少の人口を擁しながら、日本最古の文献に記された地名の一つでもある。