語源
「兵庫(ひょうご)」の地名の由来は、現在の神戸市兵庫区付近にあった「兵の武器庫(つわものぐら)」に由来するとされる。天智天皇の治世(7世紀後半)に、この地に武器・兵器を収蔵する倉庫が設けられたことが地名の起源とされる。
「兵庫(ひょうご)」とは「兵(つわもの)」=武士・武装した者、「庫(くら)」=倉庫を意味し、字義通り「武器を収める倉庫のある場所」を表す。ただし、具体的な倉庫の記録は定かではなく、伝承的な性格が強い。
中世以降は「兵庫津(ひょうごのつ)」として瀬戸内海の重要な港湾として栄え、日宋・日明貿易の拠点ともなった。江戸時代には東廻り航路の要衝として栄えた。
県名確定の経緯
1871年(明治4年)7月の廃藩置県で、現在の兵庫県域には30を超える県が成立した。同年11月の全面改正で「兵庫県」「飾磨県(播磨)」「豊岡県(但馬・丹後)」「名東県(阿波・淡路)」の4県に再編された。
1876年(明治9年)8月に飾磨県・豊岡県の一部・名東県の一部が兵庫県に合併されてほぼ現在の県域が確定した。播磨・摂津・但馬・丹波・淡路の五カ国に及ぶ広大な県域を、港湾都市「兵庫」の名が代表する形となった。
歴史的変遷
| 時代 | 区分・名称 | 備考 |
|---|---|---|
| 7世紀後半 | 兵庫(つわものぐら)成立 | 天智天皇治世に武器庫が設置されたと伝わる |
| 律令期 | 播磨・摂津・但馬・丹波・淡路 | 五カ国が現在の兵庫県域を構成 |
| 中世 | 兵庫津(ひょうごのつ) | 瀬戸内海の主要港湾。日宋・日明貿易の拠点 |
| 江戸時代 | 各藩・幕府直轄地 | 姫路藩(池田→本多→酒井家)など多数の藩 |
| 1871年(明治4年) | 兵庫県ほか30以上の県成立 | 廃藩置県後に4県に再編 |
| 1876年(明治9年) | 飾磨県ほかを合併 | ほぼ現在の五カ国規模の県域が確定 |
地名の特徴
兵庫県は五カ国(播磨・摂津・但馬・丹波・淡路)を包む広大な県でありながら、県名の由来となった「兵庫」は現在の神戸市の一区(兵庫区)に過ぎない小地名である。現在の県庁所在地は神戸市だが、「神戸」でも「播磨」でもなく、古代の武器庫に由来する「兵庫」という名が続いている点が特徴的といえる。