語源
「福島」の地名は安土桃山時代に成立したとされる。
文禄元年もしくは2年(1592〜1593年)、蒲生氏郷の客将であった木村吉清が旧称「杉目(すぎのめ)城」を「福島城」と改称したことが福島という地名の始まりとされる。しかし「福島」という名の詳細な由来については諸説があり、確定した説はない。
吹島(ふくしま)転訛説:地誌『信夫伊達風土記』によれば、信夫山(しのぶやま)には吾妻おろし(西からの強風)が吹きつけていたため、この地を「吹島(ふくしま)」と呼ぶようになり、その後「吹」を「福」の字に改めたとされる。
縁起重視説:木村吉清が城名を改める際、縁起の良い「福」の字を意図的に採用したとする説。福は幸運・繁栄を意味し、武家が城や城下の名に縁起字を用いることは当時一般的であった。
県名確定の経緯
江戸時代には現在の福島県域に多数の藩が分立していた。1869年(明治2年)の奥羽再建で陸奥国南部が磐城国と岩代国に分立し、それぞれ複数の県が置かれた。1871年(明治4年)の廃藩置県後、1876年(明治9年)に磐前県・福島県・若松県の3県が合併して現在の福島県が成立し、県庁を置く福島(旧福島城下)が県名として採用された。
歴史的変遷
| 時代 | 区分・名称 | 備考 |
|---|---|---|
| 律令期 | 陸奥国(むつのくに) | 陸奥国南部として統治 |
| 江戸時代 | 福島藩ほか多数 | 現県域に20以上の藩・旗本領が分立 |
| 1869年(明治2年) | 磐城国・岩代国 | 奥羽再建で陸奥国から分立 |
| 1871年(明治4年) | 福島県ほか | 廃藩置県で複数県が成立 |
| 1876年(明治9年) | 現在の福島県域確定 | 磐前県・福島県・若松県の3県合併 |
地名の特徴
「福島」という地名は全国に存在し、大阪府福島区・福島市(岡山県)なども知られるが、都道府県名としては東北の福島県のみである。「福」の字を含む県名は福島・福岡・福井の3県であり、縁起の良い字として武家や為政者に好まれた共通点がある。